「世界的に最低レベル」と言われる日本人の睡眠時間。20~60代の働く男女1000人を対象にした睡眠に関する民間の調査によると、4人に3人が睡眠不足と感じ、全体の過半が「理想の睡眠時間を確保できない」と感じていることが分かった。睡眠時間がある程度とれている人でも睡眠の満足度が低いケースもあり、睡眠に関する悩みの深さが浮き彫りになった。
「仕事がある日の睡眠時間」を尋ねると、最多が「5~6時間未満」(36・1%)、次いで「6~7時間未満」(34・0%)、「4~5時間未満」(14・2%)と続いた。平均睡眠時間は5時間56分なのに対し、理想の睡眠時間は7時間4分。現実と理想との差は約1時間あり、74・6%の人が「睡眠不足」と感じている。
仕事のある日にこの理想の「睡眠時間」を確保できるかを尋ねると「確保できない」と52・2%が答えた。その原因として、心理的ストレスや仕事、家事、育児などの忙しさで時間がとれないことが挙がった。ネット交流サービス(SNS)や動画配信サービスに時間を費やしていることも多く、睡眠時間の確保が難しくなっている様子が浮き彫りになった。
ただ、「睡眠の量」が増えたからといって、満足度が上がるかといえばそうでもない。
休息感につながる「睡眠の質」について尋ねると、「満足」が計35・8%に対し、「満足していない」は計64・2%に上る。「疲れがとれない、倦怠(けんたい)感がある」(58・6%)や「夜中に目覚める」(51・4%)「寝付きが悪い」(36・0%)といった点が満足していない理由に挙がった。
男女別・年齢層別の10グループで睡眠時間と満足度の関係性を比べると、満足度が43%と最も高かった60代女性の睡眠時間は、5時間55分と10グループ中4番目に少ない。逆に平均睡眠時間が6時間7分と最長だった20代女性の満足度は30%と最も低かった。
調査は豪州の寝具会社の日本法人コアラスリープジャパン(東京都渋谷区)が9月にインターネットで調査した。
同社担当者は「スリープパフォーマンス(スリパ、時間に対する睡眠の質)を高めるため、特に中途覚醒を減らすことが重要」と話す。一緒に寝ているパートナーや自身の寝返りの衝撃でも目を覚ます人がいるとし、「寝具選びを工夫して」と助言している。【嶋田夕子】
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