「資産形成」「資産運用」という言葉を聞く機会が増えてきました。国は税制優遇制度等を整備し、積極的に「貯蓄から投資」を促しています。円安や物価高が続く中で将来に向けて備えるという意識が高まっています。ただ、「何から始めたらいいか分からない」「自分に合った資産形成があるのか」と不安を抱える方も多いはず。10月26日(土)に開催されるセミナー「今からでもまだ間に合う?! 資産形成の始め方・増やし方・守り方」(主催・メットライフ生命)に講師として登壇する、ファイナンシャルプランナー(FP)の田島めぐみさんに、よくある相談や注意する点などを聞きました。
※記事の末尾にセミナー受講の申し込み方法があります。
ーどういう相談が多く寄せられますか。
「最近は、今年から始まった『新NISA(新少額投資非課税制度)』の質問が多いです。よく聞くけれど、何から始めたらいいか分からない、まず始めの一歩をどうしたらいいか分からないという方が、相談に来られるケースが多い印象です」
そもそもNISAとは?
NISAは、2014年から開始された「少額投資非課税制度」です。通常、投資で得られた売却益や配当金などの利益には20%近く課税されます。NISA口座を活用することで一定枠までの利益が非課税となります。この制度を引き継ぎつつ、拡充したのが2024年1月から始まった「新NISA」です。新NISAのスタートで、これまでのNISAよりも非課税の限度枠が大幅に拡大され、非課税保有期間も無期限になるなど、より投資しやすい環境が整いました。
ーセミナーではどういうことをお話しするのでしょうか。
「一番最初の話はメンタルの部分になります。資産形成の方法はNISAだけではなく、たくさん種類があります。ですが、皆さんよく『NISAを始めるに当たって、株式を多めにするか、債権を多めにする方がいいか』など、手法を知りたがることが多い。やり方を決める前に、なぜそれをやらなければいけないのか。そこを明確にすることが大事ですよ、という話をさせていただきます」
「その上で、例えば10年間投資した場合にどういった形で株が増えていくのかという株のワークをします。毎月2万円や3万円の積立投資をした場合、その時の株価が1万円や5千円だったら何口買いますか、というような『ドルコスト平均法』の考え方なども伝えます」
ーなるほど、投資を始める前の心構えや基本的な知識から教えてくれるわけですね。
「投資の前に、保険がしっかりできていない方も結構いらっしゃいます。日本人の7〜8割が保険に入っているのですが、保険の内容が合っていない方が結構いるので、まずはご自身の家計から見直してもらう機会にしていただければなと思っています。その第一歩を踏み出してもらえるような内容になっています」
「もう少し詳しく、銘柄をどう選ぶかに関しては、選べるサイトの見方を教えていきます。また、取り崩し運用という考え方もあります。例えば2千万円の退職金のうち1千万円を投資信託に回した場合、そのまま寝かし続けるというのが王道です。ただし、『10年も待てない』『今の生活に切り崩したい』という場合には、運用利回りの何%を目安に資産残高を取り崩すか、または定額で取り崩すのかなど、ポイントを説明します。また、何歳まで運用していくかという話なども後半ではしていきたいと考えています」
投資を始める前の心構えや考え方を説明する田島さん=10月11日、沖縄タイムス社 ーこれまでにセミナーに参加した人からはどのような感想が寄せられていますか?
「これまで沖縄県内の中小企業や自治体からの依頼などで多くのセミナーを開催しています。その中で『何を基準にしてお金の貯蓄や投資を始めるべきなのか分かりやすかった』という声を頂いています」
ーセミナーに参加されるのは、どのような方が多いのでしょうか。
「セミナーに参加される年齢層は40~60代の、退職間近の方や退職直後の方々が多いです。今後の生活への不安や、考えるタイミングということでこうした年代の方の参加が多いんだと思います。性別で見ると、女性の方が多い印象です。6割、多い場合では7割程度を女性が占めている時もあります」
ー20代や子育て世代の30代が、子どもの教育資金や住宅購入などを見据えて参加するというケースもあるのでしょうか。
「いたとしても2割ほどであまり多くありません。その理由としては、お金や投資に関する知識を得られる場が増えているからだと思います。YoutubeやSNS、本屋などでも情報が気軽に手に入ります。20代の若い世代は投資に対してあまり抵抗感がない方が多いです。一方、40代後半以降の長年低金利で過ごした方々は投資に対して『難しいのではないか』『減ってしまったらどうしよう』と不安に感じる方が多いのではないかなと思います。学ぶ場がない、これまであまりなかったということも背景にはあると思います」
ー「老後資金2千万円問題」が取り沙汰されて不安になった方も多いと思いますが、そのあたりの疑問にも答えてもらえる内容になっているのでしょうか。
「はい、もちろんです。老後資金2千万円問題が結構取り沙汰されたので、一気に不安になった方もいらっしゃいます。そこで、家計の中身をしっかりと明確にしていきます。例えば『住宅を取得している』『保険も積立保険に入っている』など、見えないところで資産づくりをされている方もいます。つまり、現金では持っていないけれど、資産としては持っている方もいますので、相談の中でしっかりと見える化をしていきながらその人に合わせた形で相談を進めていく形になっています」
そもそも老後資金2千万円問題とは?
金融庁の金融審議会が、年金だけでは老後の資金を賄えず、95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要になるとまとめた報告書を発表したことに端を発する問題。報告書では、男性が65歳以上、女性が60歳以上の無職の夫婦のみの世帯では、公的年金を中心とする収入約21万円に対し支出は約26万円となり、月5万円の赤字になると試算。これから20年生きるなら1300万円、30年なら2千万円が不足すると指摘した。報告書は資産形成の重要性を訴えたが、少子高齢化による公的年金制度の限界を政府自ら認めた形で、年金制度そのものへの不安をかき立て、各方面から反発を招いた。
ー持っていく物や必要な物はありますか?
「セミナー自体には何も必要ありません。個別相談の中では、収入と支出をヒアリングしていきます。なので、それらが分かる物を準備してくださいと伝えています。年収は分かるけど、支出が分からないという方が構多くいらっしゃいます。日々の買い物などの『変動費』は分からないと思いますが、『固定費』がどれくらいかというのを確認していきます。あと1年間でどれくらい貯金ができているか、1年前の通帳残高と現在の残高を照らし合わせれば変動費もおのずと分かります」
ーセミナーに参加して個別相談した上で「投資はやめよう」というケースもありますか。
「はい、あります。誤解を招きやすいのは、増やしたいと思っている方が多い。『子どもが中学生で大学受験までもう3〜4年しかないので、NISAを始めたいんです』という方がいらっしゃるのですが、その場合はちょっと待ってくださいと伝えます。期間が短いのであれば、資産形成に頼るのではなく、奨学金や家計の見直しなどをおすすめします。一方で自分の老後は待ってくれないので、老後資産づくりは必要かもしれないですね、などと相談に乗ります。この辺は、人それぞれなので、それぞれのケースになります」
ー最後にメッセージをお願いします。
「人生は1人では生きていけないですよね。お金のことも、全部自分でイチから勉強して1人の力でやるのは難しいです。なので専門家の力を借りてみる、お金に詳しい人の知識を学びにいくというのは大事なことだと思います。セミナーは堅苦しくない楽しい雰囲気で進めていくので、気軽に、楽しみながら来ていただければと思います」
「今からでもまだ間に合う?! 資産形成の始め方・増やし方・守り方」
【登壇者】
講師:田島 めぐみ氏
MC:景山 チユキ さん
【開催概要】
開催日 2024年10月26日(土)
午前の部 10:30~12:00(開場 10:00) 申し込みはこちらから
午後の部 13:30~15:00(開場 13:00) 申し込みはこちらから
定員 【抽選】各部40名 ※いずれかへご登録お願いいたします。
会場 那覇市職員厚生会 3F 多目的ホール
【主催】メットライフ生命保険
【企画協力】沖縄タイムス社
【運営事務局・問合せ先】
タイムスアドネクスト TEL:080-6480-8745 E-mail:event@times-adnext.co.jp
インタビューの様子を音声配信アプリ「voicy」でも配信中。こちらから無料で聞けます。
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