被災者らと一緒に手話を使った歌を歌う大島花子さん(左端)=石川県野々市市で2024年10月9日午後1時48分、阿部弘賢撮影

 能登半島地震と豪雨災害の被災者らを支援しようと、故・坂本九さんの長女で歌手の大島花子さんが9日、石川県野々市市の自然食品店「NOPPOKUN」でチャリティーライブを行った。会場には被災者らも訪れ、大島さんの優しい歌声とトークを楽しんだ。

父の歌、手話で

 大島さんは、東日本大震災や熊本地震などの被災地でも数多くのチャリティーライブを開催してきた。この日は、坂本九さんの代表曲「上を向いて歩こう」や「見上げてごらん夜の星を」のほか、観客らと一緒に手話を使った歌も披露した。

 大切な人を失った人に寄り添い手助けするグリーフケアを学んでいるという大島さんは、11歳の時に航空機事故で父を亡くしたことに触れ、「無理に悲しみを乗り越えようとしなくていい。私は当時、泣けなかったが、悲しみは人の数だけある。泣きたいときは泣けばいい」などと優しく語りかけた。

 坂本九さんのファンで、同県輪島市から金沢市へ避難している長岡静子さん(83)は「古里に戻れるか不安な気持ちはあるが、今日は大好きな歌を聴けて楽しかった」と話した。

 イベントでは、被災地支援を行うNPO法人「Move4Japan」代表で米ハワイ在住の竹林篤さんが焼きそばを販売し、売り上げを寄付した。【阿部弘賢】

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