11月から道路交通法が改正され、新たに自転車の『ながら運転』や『酒気帯び運転』が罰則の対象となる。
今年の5月に「自転車の青切符導入」が話題となり、スマホ等のながら運転の話も出ていたが、確か2年以内の施行だったはずだ。
いったい何が違うのか?
法律家で、毎日往復20キロの自転車通勤を日課とする本田聡弁護士に話を聞いた。
■改正道交法 自転車「酒気帯び」と「ながら運転」は先行して施行
【本田聡弁護士】
今年の5月17日に可決・成立した「改正道路交通法」には、自転車の『青切符導入』『酒気帯び禁止』『スマートフォン等のながら運転禁止』がありました。
1つの法案の中に、並べて記載してあります。
施行日は「原則2年以内。ただし、『酒気帯び』と、『ながら運転』は、6か月以内に施行する」とあり、この2つは11月1日からの施行となります。
現行の「注意義務違反」が「犯罪」になるのです。
Q:『酒気帯び運転』と『ながら運転』だけなぜ先行する?
早期導入すれば、事故の抑止効果も早期に期待できる点もありますが、現実的には簡単だからだと思います。
自転車の違反を刑事罰に加えるだけなら、捕まえるだけなので、これまでと大きくは変わりません。
『酒気帯び』と『ながら運転』は、すぐに施行しても混乱がないだろうということだと思います。
青切符のように「制度を導入しましょう」という場合は、詳細を決めたり、警察官にも改正ポイントの周知・順守をしなければいけませんから、やはり準備に2年ぐらいはかかります。
■スマホを手で持っていたら即アウト、「注視」は2秒見るとアウト
スマートフォン等の『ながら運転』には2種類あり、「手で持つ」と「注視する」。
具体的には、自転車で走行中に通話のためにスマホを手で持ったら、即アウト。
そして、通話のためでなくても、注視したらアウトです。
これが「手で持つ」場合です。
本来、走行中に手で持つだけでアウトではないのですが、通話のために持っていたのか、そうでないのかの違いが極めて判断しにくいため、事実上、手に持っただけでアウトとなる運用がされます。
一方、「注視」は、置いてあるスマホ(例えばハンドルに固定してあるスマホ)を、一定時間以上見たうえで、危険が生じたらダメとなり、その目安が2秒です。
■しっかり罰金を払わせる…
これから何が起こるかというと、現在、警察が行っている自転車の取り締まりは、防犯登録の確認が多いのですが、それが『飲酒』や『ながら運転』のチェックも同時にされるようになるでしょう。
罰則は6か月以下の懲役、または10万円以下の罰金。しっかり罰金を払わせようということだと思います。
もちろん防犯登録の確認もあります。
気を付けないといけないのが、防犯登録は有効期限が10年。知らずに切れたままの人は結構いるのではないでしょうか。
■自転車は車やバイクと同じ“車両” 責任をしっかり認識しましょう
「本改正」により、自転車は、免許、登録、車両の構造にかかわるものなどを除き、交通違反について、自動車や二輪車とほぼ同じ扱いを受けるようになったと言えます。
自転車が「車両」であることが改めて明確にされました。
自転車の運転者の責任も、自動車や二輪車の責任と同様のものであると、認識する必要があります。
(本田聡弁護士)
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