大阪経済大学主催のエッセーコンテスト「17歳からのメッセージ」でグランプリに輝いた沖縄県立鏡が丘特別支援学校高等部2年生・平田青(はる)さんの作品「人生の光」は次の通り。

「人生の光」

 私にとってのスポーツは「他人のもの」だった。障がい者には権利も舞台も用意されていない。テレビで見たパラリンピアンはケガを負いパラリンピックに出場せざるを得なくなったスポーツマン。元から障がい者の自分には全く関係のない話。画面に映る懸命な姿に、そう考えてしまう自分が嫌になった。そして、いつの間にか自分の中からスポーツを排除し、消し去ろうとしていた。

 そんな自分を気にかけ、両親は中学から遠くにある特別支援学校に入学させてくれた。そこは部活動に力を入れている学校だった。私はそれまでの悔しさを晴らすため、人生で初めてスポーツに挑戦しようと決心し、ボッチャ部に入部した。それからはこの競技の魅力にはまり、頭の中はボッチャでいっぱい。仲間との練習が待ち遠しく、先輩の技をまねたり、プロの動きに合わせてみたり、ボッチャ漬けの日々を過ごした。

 入学から一年後、私は全国大会出場の選抜メンバーに選ばれた。予選を乗り越え、海も越え、東京での決勝大会。初めての大舞台に武者震いしながら、チームメイトと作戦を練り、魂を込めて一球一球を投げる私にとって、スポーツは「自分のもの」になっていた。

 そして今、私の人生に光を当てる存在がスポーツだ。

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