県内で認知症やその疑いがあり、県警に届け出があった2023年の行方不明者は118人で、統計を取り始めた2012年以降、最多だったことが9日分かった。12年(63人)の約1・9倍に上り、80代が48人で最多、次いで70代41人、60代16人、90代13人だった。(2面に関連)

 県警人身安全対策課によると、118人はいずれも無事に見つかった。発見日は当日が最も多い81人で、2~7日間以内が36人。約半年後も1人おり、親戚の元へ帰ってきたことで身元が分かったという。

 認知症関連の行方不明者は、新型コロナウイルス禍だった20年(58人)、21年(57人)を除いて増加傾向にある。今年は8月末時点で74人となっている。

 県警は、認知症高齢者らが行方不明となった場合に、市町村の窓口などで事前に登録した個人情報を地域の協力機関などと共有し、捜索する「SOSネットワーク」の取り組みも進めている。担当者は「不安のある本人や家族は、自治体への事前の相談を検討してほしい」と呼びかけた。

 行方不明者の問題は9日の県議会一般質問でも取り上げられ、県警の鎌谷陽之本部長が県内の状況を説明した。玉城健一郎氏(てぃーだ平和ネット)、西銘純恵氏(共産)への答弁。昨年に届け出があった行方不明者の総数は1140人だった。(社会部・豊島鉄博)

(写図説明)県内の認知症またはその疑いのある行方不明者の届け出数

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