特殊詐欺被害が相次ぐ中、千葉県警は著名人で構成する警察庁の特殊詐欺被害対策プロジェクトチーム「SOS47」を活用した地域ぐるみでの防犯活動の推進を始めた。活動の一環として8日、SOS47の「特別防犯支援官」を務める演歌歌手の伍代夏子さんが千葉市美浜区の高齢者宅に足を運び、国際電話の利用を休止する申込書の書き方を説明した。
伍代さんが訪れた同区などを管轄する千葉西署では2022年7月から警察官や地域住民が一緒に月2回、高齢世帯を中心に戸別訪問をしている。県警は今回、こういった活動を進めている同署管内で集中的に広報活動を展開することにした。
今回、県警は特殊詐欺で使われることがある国際電話番号の着信を拒否する方法の周知を進める。国際電話番号は先頭に「+」が付き、昨夏以降、全国的に特殊詐欺での利用が増えている。今年1~6月、全国の特殊詐欺に使われた電話の53・8%が国際電話番号から発信されており、固定電話(19%)や携帯電話(7・1%)を大きく上回った。特に米国や英国、豪州、ベトナムの番号が多いという。
これらの対策として、「国際電話不取扱受付センター」(0120・210364)で専用書類を使って申し込むことで国際電話の利用を止めることができるという。
この日、伍代さんが訪問し、実際に申し込んだ千葉市美浜区の田辺静子さん(81)は「これで安心ですね」と笑みを浮かべた。
県警は今後、11月中旬にかけてSOS47を活用した広報活動を集中的に取り組んでいく。同署の斉藤直樹署長は「自治会や自治体、企業、警察がタッグを組み、特殊詐欺の未然防止の数も増えている。引き続き地域一体となったまちづくりを進めたい」と話した。【林帆南】
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