アスベスト(石綿)の被害者支援などに充てられる寄付金を着服したとして、業務上横領の罪に問われたNPO法人「じん肺・アスベスト被災者救済基金」の前事務局長、佐藤三雄被告(68)=横浜市鶴見区=は24日、横浜地裁横須賀支部(片多康裁判官)の初公判で起訴内容を認めた。

起訴状によると、2018年4~10月、法人の預金口座から引き出した計約210万円を別の勤務先の口座などに入金して横領したとしている。

検察側は冒頭陳述で、12年ごろから、法人の預金を勤務先の運転資金に充て、口座の残高証明を改ざんしていたと指摘した。

佐藤被告は開廷後、アスベストの被害者遺族らが座る傍聴席に向かって一礼した。弁護側は情状酌量を求める方針。

法人は23年6月、約9千万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴。同8月、被告側は請求を受け入れる「認諾」をして民事裁判は終結した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。