秋といえば食欲の秋、スポーツの秋、そして読書の秋。その読書の秋が消える…?

 文化庁の調査では1か月に本を読まない人が過去最多の6割超え!?

 「読まなくなりましたね。すごく減ったように思えます」(60代男性)

 「思い出せないくらい読んでないです」(20代女性)

 若者だけでなく全世代が本を読まなくなった意外なワケとは?

 本離れの原因になったあるものとは?

 本を読まないことで何が問題?

 そんな中オープンした書店の狙いとは?

 増える大人の「本離れ」を追跡します。


 文化庁が5年に1回調査している「読書の習慣」が9月発表されました。1か月に本を1冊も読まない16歳以上の人が62.6%!

 5年前の47.3%から15%以上増え、過去最多になりました。

 しかも電子書籍を含む数字です。なぜこれだけ本離れが急増したのか、街で調査しました。


■進む大人の「本離れ」

 「読まないです。めくったり探したりするのが手間」(20代大学生)

 「思い出せないくらい読んでいない。(Q:スキマ時間は?)YouTube。調べたいことがポンとすぐ出てくるので。(Q:大学の先生から『この本読んでおいて』など言われない?)(まとめサイトなどで)内容調べて『読みました』と感想を言う」(20代大学生)

■多くの世代で「読まない」「読まなくなった」

 やはりインターネットの利便性が理由で、多くの若者は本離れ。一方、60代は?

 「読まなくなりましたね。すごく減ったように思えます。ネットで色々なものを見ていてそっちに時間をとられている。本屋で色々探すよりも(ネットで検索するほうが)明らかに情報が多い」(60代男性)

 「スマホで本を読むケースが多い。本自体がどんどん減ってきて店頭に出なくなったことが本離れに影響している」(60代男性)

 ほかにも老眼が進み、字が決まったサイズの本よりも自由自在に大きくできるスマホがいいという声も。さらに本離れにはこんな理由も。

 「もったいない。紙の本を買うと家でたまってくるから。『キンドル』とかだと買って読めてごみも少ない。iPadをアームにつけて、ちょうどいいくらいの高さにして、Bluetoothをつなげて、スイッチでページがぱらぱわめくれて便利」(50代女性)

■従来とは違う形で「本」を楽しむ人も

 年代問わず本からスマホにシフトチェンジ。そんな中、違う形で本を楽しんでいる人も。

 「『オーディブル』というサブスクがあって、ちょっと聴いてみたいのがたくさん入っていて、結構著名な方の本もいっぱいある。座って本を読むだけの時間がなかなか難しい」(40代女性)

■本離れの背景に ”ショート動画” の爆発的流行?

 時間に余裕がないからと本離れをする人も多いようで。

 「やっぱり育児がメインなので読書どころじゃない。(Q:育児を始める前は本は読んでいた?)読んでいた。自分磨きの本とか。(Q:最近は読めていない?)読んでいないですね、時間がないから」(30代女性)

 文化庁の調査でも読書量が減っている理由として1番多かったのはスマートフォンなどの情報機器で時間がとられていること。次に仕事や勉強が忙しくて読む時間がないことが理由としてあげられています。

 さらに「時間」以外にも理由が!読書が減ってきた世の中を分析した書籍「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の著者はここ5年であるものが増えてきたことが本離れ急増の原因と指摘します。

 「ここ5年の1番大きな変化は動画環境の変化。特にショート動画がここ5年で爆発的にはやった。それで本のような長文を読むということから遠ざかっている人が多いと思う」(著者 三宅香帆さん)

 「自分が欲しいと思っている情報以外のものを邪魔なものと感じる方が多いということなんでしょうか?」(廣岡 俊光キャスター)

 「本当に知りたいことだけを教える。そういうものに比べると、本は長いし、自分の必要な情報がどこに書いているかわからない。みんなすごく忙しいのが現状だと思っていて、本で他人のことを想像したり、自分の深いところにある悩みと向き合う時間がなかなか得られないのかなと思う」(三宅さん)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。