東京都国分寺市の強盗事件で、侵入口とみられる勝手口の付近を調べる警視庁の捜査員=東京都国分寺市西恋ケ窪3で2024年10月1日午後2時58分、菅健吾撮影

 埼玉県と東京都で3件連続した強盗事件で、実行役が秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」の複数のアカウントを通じて指示を受けていたことが捜査関係者への取材で判明した。県警と警視庁の共同捜査本部は、三つの事件に同一の指示グループが関与し、事件ごとにアカウントを使い分けていた可能性もあるとみて調べている。

 三つの事件は、9月18日にさいたま市西区▽9月30日に東京都国分寺市▽10月1日に埼玉県所沢市――で起きた。いずれも未明から早朝に男性数人が住宅の窓ガラスを割って押し入り、住人を粘着テープで縛るなどの手口が共通している。

 捜査関係者によると、逮捕された実行役とみられる容疑者のスマートフォンの解析で、国分寺と所沢の事件では、シグナルの一つのアカウントを通じ、指示役と実行役がやり取りしていた。さいたまの事件では、二つの事件と異なる複数のアカウントから実行役が指示を受けていたという。

 所沢の事件に関与したとして強盗致傷容疑で逮捕された佐藤聖峻(きよたか)容疑者(24)=神奈川県小田原市=は「国分寺の事件にも関わった」という趣旨の供述をしているという。

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 捜査本部は国分寺の事件の実行役は2人組とみており、所沢の事件で公開手配中の住所・職業不詳、森田梨公哉(りきや)容疑者(24)と佐藤容疑者の2人が関与したとみて調べている。

 また、さいたまの事件も、国分寺と所沢の事件と発生時期と地域が近く、実行役がSNS(ネット交流サービス)で集まっていた。このため捜査本部は、さいたまの事件を含めた三つの事件で同一の指示グループが関与したとみている。

 三つの事件では、実行役や現金の引き出し役ら男性9人が強盗致傷容疑などで逮捕されている。

 また、警視庁は4日、練馬区の住宅で9月28日にあった強盗事件に関与したとして、千葉県市川市の会社員、河崎律之容疑者(29)を強盗致傷容疑などで逮捕した。練馬の事件での逮捕は4人目。捜査本部は練馬区と三つの事件との関連も調べている。【岩崎歩、安達恒太郎】

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