痛ましい事故が起きた、神奈川・横浜市鶴見区にあるJRの踏切。

4日、現場で取材をしていた「イット!」取材班はヒヤリとする場面に遭遇しました。

警報音が鳴り響く中、遮断機が下りた踏切内を歩く年配の女性。
駆け足で線路内から出ようとしますが、遮断機が上がらず線路内から出られません。

近くにいた人が、すぐに手を貸し、女性は無事出ることができました。

踏切内に取り残された人(80代):
渡れ渡れって言われたんですけど、警報機が鳴っているでしょ。渡っていいのか、悪いのかと、戸惑っちゃってね。ちょっと恐怖を感じましたけど。前はそんなことなかったの、年のせいかしら。

この踏切では死亡事故が相次いでいて、つい5日前の9月29日には、ベトナム国籍の飲食店店員、ブオン・バン・ロンさん(26)が電車にはねられ死亡しました。

線路を渡りきるまでの距離は約45メートルもあります。

実際に事故が起きた現場の踏切を歩いてみると、かなり長い印象を受けます。
そのため線路の真ん中には、渡り切れない人のために、待機できるスペースが設けられています。

警察によりますと、付近の防犯カメラには、ブオンさんがスマートフォンを操作しながら踏切に入り、待機場所ではない線路内にとどまる様子が映っていたということです。

こうした状況から警察は、立っていたところが待機場所だと勘違いして線路内にとどまってしまった可能性があるとみています。

この踏切では、2013年以降、同様の死亡事故が4件も発生しています。

相次ぐ事故を受け、横浜市は2014年、踏切を廃止し、新たに跨線橋を設ける方針を示しました。

しかし、地元住民から「車やバイクでの通行ができなくなる」と反対の声が上がり、廃止に向けた議論は進んできませんでした。

地元住民:
(踏切が)なくなると不便。かなり迂回しないといけないので。

相次ぐ事故を受け、横浜市の山中竹春市長は2日、「人命という尊さを踏まえ、踏切の危険性につきまして、引き続き地域に丁寧な説明をし、踏切廃止に向けて取り組んでいく」と述べ、住民に理解を求める方針を改めて示しました。

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