名古屋高裁が入る名古屋高地裁合同庁舎

 無罪判決が確定した男性のDNA型や指紋などを警察庁のデータベースから抹消すべきだとした名古屋高裁判決について、警察庁が原告側の弁護士に「データは既に抹消した」と説明していたことが原告への取材で判明した。

 原告の奥田恭正さん(68)=名古屋市=によると、9月20日ごろに弁護士が警察庁の担当者に電話で問い合わせた際、「データは既に抹消しました」という説明を受けたという。具体的な抹消時期や方法などは明らかにされていないことなどから、奥田さん側は警察庁の説明は不十分とし、警察庁長官と同庁の担当課長宛てに抹消手続きの開示を求める申し入れ書を24日付で送付したという。

 奥田さんは「電話での説明だけでは信用できない。いつ、誰が、どのような方法で抹消したのかを説明し、それを私にも確認させてほしい」と求めている。【道下寛子】

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