札幌市のスーパー「西友」が5店舗、9月30日に閉店します。買い物に通った人たちが別れを惜しんでいます。

9月29日と30日で全9店舗が閉店

 2024年4月、イオン北海道に北海道内全9店舗を170億円で買収されることを発表した西友。このうち平岸店は9月29日午後6時に閉店を迎えました。

 「涙が出そうでした。何回も利用しているので、すごく思い入れがあったけど、最後に来ることができてよかった」

 「悲しいです。ことあるごとに利用していて、子どもも大好きで通っていたので信じられない」

 「イオンさんが多いので近くにもあるので、また同じイオンかなとは思った」(いずれも最終日の利用客)

 9月29日は平岸店以外にも福住店など4店舗が閉店。さらに9月30日は残る旭ヶ丘店など5店舗が最終日を迎えました。

 「西友」が北海道に進出したのは1973年。札幌市を中心に、一時は岩見沢市や滝川市にも店舗を広げ、最盛期は11店舗に。


 その後、経営不振から2000年代には世界最大手の小売企業「ウォルマート」の傘下に入りました。毎日お得、「エブリデイ・ロー・プライス」を掲げ、プライベートブランド「みなさまのお墨付き」は人気商品になりました。


近隣に競合するイオン店舗が…

 西友はこのあと、イオングループとしてオープン予定ですが、少し気になる点もあります。

 「こちら西友平岸店前です。車で1分30秒分ほどでイオン南平岸店に到着しました」(有田慈彦 ディレクター)

 11月9日に西友からイオン札幌平岸店へと生まれ変わるお店。しかし、すでにある南平岸店とは徒歩でも10分程度の近さです。

 他にも西友清田店はイオン札幌清田店となりますが、すでにある平岡店とは車で6分ほどの近さです。イオンの店舗同士が近くに存在する形です。

 便利な一方で、売り上げなどへの影響はー。流通業界に詳しい専門家に聞きました。

 「大消費地である札幌のシェアをとことん上げていきたいというのがイオンの本音ではないでしょうか。ライバルにとってイオンはとてもこわい存在。イオンが増えることは緊張感がすごい。他社がたぶん仕掛けてくる。全体として地域のサービスレベルは消費者にとって向上すると思います」(流通アナリスト 中井 彰人さん)

札幌のスーパー勢力図が変化

 このほか、11月には北海道からの撤退を決めているイトーヨーカドー屯田店が、関東を中心に展開しコスパ最強をうたう食品スーパー「食生活ラブラブロピア」となります。

 この秋、札幌市のスーパー勢力図が大きく変わります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。