警視庁は2025年4月にも、公安部の中に特定の組織に所属せず単独でテロを実行するいわゆる「ローンオフェンダー」を専門に捜査する部署を全国で初めて設置することがわかりました。

安倍晋三元総理大臣が銃撃され死亡した事件や、岸田総理の演説会場で爆発物が投げ込まれるなど、単独でテロ行為を行う「ローンオフェンダー」型の事件が近年相次いで起きています。「ローンオフェンダー」型は犯行の計画から実行までを一人で行うため、事件の予兆を把握するのが難しい現状があります。

こうした中、警視庁は2025年4月にも、この「ローンオフェンダー」を専門に捜査する課を公安部に新設する組織改編を行うことがわかりました。

既存の「公安1課」から「公安4課」の名前を残しながら組織改編し、「ローンオフェンダー」を専門に捜査する課は「公安3課」という名称で新設され、全国で初の試みとなります。

これまで公安部では、危険人物を探すための情報収集を行う部署と、爆発物の原料となる化学物質を購入した人物の身分確認などの対策を行う部署が分かれていましたが、新設される「公安3課」で一元化されます。さらに、刑事部や生活安全部などの別の部署が職務質問やパトロールで得た前兆情報を集約して捜査の指揮にあたるということです。

警視庁幹部は「新たな脅威に迅速に対応するため各部署との連携を強化していきたい」としています。

一方、これまで過激派のテロやゲリラ事件を担当してきた公安1課と公安2課を統合して新しく「公安1課」とするほか、これまで公安3課で右翼を担当してきた部署を新しく「公安2課」に改称します。

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