1966年に当時の静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で一家4人が殺害された強盗殺人放火事件のやり直し裁判で、静岡地裁は9月26日、袴田巖さんに対して無罪を言い渡しました。ただ、まだ無罪が確定したわけではありません。

福島流星 記者:
今回の再審公判ですが、通常の裁判と同様、検察が判決に不服があれば控訴することができます。14日以内に控訴すれば東京高裁で審理継続、控訴をしなければ無罪が確定します。そして、控訴期限は10月10日午後11時59分です。

福島流星 記者: 
これまでの元死刑囚の冤罪事件では、いずれも検察は無罪判決に対し控訴を断念しています。袴田事件のほかに戦後の日本では死刑確定後、再審で無罪になった事件が4つあります。

免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件で、いずれも再審の一審の段階で無罪判決が出て検察は控訴を断念し、無罪判決が確定しています。

-検察は控訴しない可能性が高いとも思えそうですが…

橋下徹 弁護士:
捜査機関がねつ造をしていたのであれば、厳しく批判すべきだと思います。ねつ造が確定してしまう、しかも確信的な証拠を取り調べも含めて3点ねつ造ということになると、今までの司法判決の信頼性も揺らいでしまうわけです。その当時の他の事件はどうだったのかと。

(事件の中には)際どい判決というものもあります。いろいろな証拠を積み重ねてギリギリのところで有罪、死刑となる事件もあるわけで、この袴田さんの事件1件だけでねつ造が確定ということになると、一気にパンドラの箱が開いたように大変な状態になる(可能性がある)ことで、検察はねつ造を認めることが出来ないということで、ずっとこれまでやって来たわけです。

個人的には控訴は断念して欲しいと思いますが、ねつ造が確定した時にいろいろな他の事件に対する影響、波及は大きいと思います。

ジャーナリスト・ 鎌田靖 氏:
先日、現職の検察の幹部に仮に無罪となった時に控訴するのか聞きましたが、あらゆる争点について裁判所の判断を見て控訴するか判断するため、数日はかかると言っていました。

今回のねつ造認定は、検察は相当考えなければいけないという気がします。

今日(26日)検察の複数の元幹部に話を聞きましたが、ねつ造という認定がわかった上で、それでも控訴してはいけないのではないかと言っていました。実際に検察がどう判断するかは、また別だと思いますが。

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