静岡地検の入る庁舎=水戸健一撮影

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われ死刑が確定した袴田巌さん(88)に対するやり直しの裁判(再審)で、静岡地裁は26日、無罪判決を言い渡した。判決を受け、静岡地検の小長光健史・次席検事は「(検察としては)必要な立証を行ってきた。裁判所がどのような判断をしたのか、きちっと確認して対応したい」と述べるにとどめた。

 主なやりとりは以下の通り。

 --「5点の衣類」について捏造(ねつぞう)とされた。

 ◆判決が言い渡された直後でまだ判決文を見ていない。判決内容を精査して適切な対応をしたい。

 --控訴はどう判断するのか。

 ◆上級庁と協議する。

 --控訴するかどうかの判断で、袴田さんの年齢を考慮するのか。

 ◆難しい質問だ。諸般の事情を考慮するが、判決内容がどういうものであるのかが一番重要なので、そこをふまえて判断する。

 --初公判ではいたずらに裁判を延ばすつもりはないという方針だった。

 ◆その考えは変わらない。

 --無罪が出たことへの受け止めは。

 ◆結果としてこちらの主張立証を(裁判所に)評価していただけなかった。

 --検察の有罪立証に対する批判の声もある。

 ◆そのような声があるのは承知しているが、メンツでやっているわけではなく、引き延ばすつもりも毛頭ない。法と証拠に基づいて行うべき事をきちっとやっていく。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。