再審の判決を前に「もちろん無罪を期待しています」と語った袴田巌さんの姉秀子さん=浜松市で2024年9月26日午前10時40分、山田英之撮影

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)は26日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で、判決が言い渡される。判決を前に、姉の秀子さん(91)は浜松市の自宅前で取材に応じ、「平常心でございます。もちろん無罪を期待しています」と語った。

 秀子さんが自宅を出る際、巌さんは食事を済ませてくつろいでいたという。秀子さんは無罪判決を信じて、白っぽい服装にしたと説明。検察に対して「58年も闘ってきた。いいかげんにしてもらいたい。控訴しないようにお願いしたい」と求めた。

 判決を巌さんに伝えるタイミングについて「自宅に帰ってから、巌の顔色を見て話そうと思っている」と言い、静岡地裁に向かった。

 同事件で静岡地裁は2014年、最有力証拠とされるみそ漬けの「5点の衣類」を「捏造(ねつぞう)された疑い」と指摘し再審開始を決め、袴田さんを釈放した。東京高裁は23年、検察側の即時抗告を棄却、再審開始を認める決定をした。再審は今年5月に結審した。【山田英之】

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