【亀岡暴走事故12年】亀岡暴走事故の遺族と意見を交わす池袋暴走事故遺族の松永拓也さん(左から2人目)=23日午後、京都市右京区(渡辺恭晃撮影)

京都府亀岡市で平成24年、無免許の元少年の車が暴走し、集団登校中の児童ら10人が死傷した事故から12年となった23日、京都市内での会合に東京・池袋で31年に起きた暴走事故の遺族、松永拓也さん(37)が招かれ、遺族の心情などについて講演した。松永さんは「加害者も被害者も生まない社会のために、交通安全に気を配ってほしい」と訴えかけた。

講演は松永さんと親交があった亀岡の事故の遺族が依頼して実現した。

松永さんは、妻の真菜さん=当時(31)と長女の莉子ちゃん=同(3)=を事故で失い、自ら命を絶つことも考えたと明かした。一方「2人の命を無駄にしない」との思いで、再発防止に向けた活動を続けているとも語った。

今年3月、遺族の心情を刑務官らを通じて受刑者に伝える制度を使い、服役中の男(92)に事故や再発防止への思いを伝えたことに触れ「再発防止のために彼(受刑者)の言葉を社会の財産にしたい」と力を込めた。

講演後は「ある日突然大切な人を失うということ」をテーマにパネルディスカッションが開かれ、松永さんや亀岡の事故で小学2年の次女、小谷真緒ちゃん=当時(7)=を失った父の真樹(まさき)さん(41)らが登壇。遺族としての心情のコントロールや、交流サイト(SNS)に寄せられる誹謗(ひぼう)中傷などについて意見を交わした。

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