茨城県石岡市の県道「フルーツライン」沿いにある私有地に、4年前から大量の産業廃棄物が山積みにされている問題で、ついに県が約3億3000万円の費用をかけ、行政代執行による強制撤去に乗り出しました。

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業者や個人が長年放置した廃棄物は、約1万2000㎥に及び、ごみの重みでフェンスは今にも倒れそうになっています。

近隣住民:
子供も乗せて走っているんで、走っている最中に倒れてきたら危ないじゃないですか。

近隣住民:
フェンスがどっちかというと道路側に反っているんですよね。それがいつ倒れるか…フェンスが倒れたらどうしようかっていう危険性と不安がありました。

「めざまし8」は、県に許可を受けて現場の内部を取材させてもらいました。

産業廃棄物の回収業者:
これなんかは、野球とかのスポーツ応援グッズですからね。これは断熱系の家電に使われている、周りが金属じゃないですか?冷蔵庫って、その内側に必ず断熱材とかが入っているので、家電製品からの残渣物ですね。

取材スタッフ:
これはホースですかね、ゴムのような物…そしてサンダルですかね?こちらにはカッターナイフもあります。

細かい物から大きい物まで、さまざまなごみが入り交じる中、案内してくれた回収業者が手に取ったのは、短く切られた細長い金属のような物です。

産業廃棄物の回収業者:
これ実はアルミなんです。消火器のピンを抜くやつ。それを燃やした中の芯だと思うんですけど。これは金属として売却できるんです、分別すれば。
ただこの状態ではどうしようもないので…。

約250mにわたり置かれたごみ

見上げるほど高く積まれた廃棄物。上空からドローンで見ると約250mにわたり、ごみが川のように敷地を埋め尽くしているのが分かります。

「ごみではない」と主張

なぜ、これほど廃棄物がたまるまで放置されてきたのでしょうか?
茨城県廃棄物規制課 不法投棄対策室の高島茂之室長によると当初は、「ごみではない、リサイクル製品の原料だ」という主張だったといいます。

山のようにつまれた産廃物の山を登る取材スタッフ

この主張に、長年千葉県庁で“産廃Gメン”として問題に取り組んできた石渡正佳氏は…。

株式会社TOWALO代表取締役 石渡正佳 氏:
売れるか売れないかって主観的なことなので、業者側から「売れる物ですよ」って言われてしまうと、行政側として不法投棄だという認定がなかなかすぐにできない。
「草が生えているじゃないか」とか、「崩れているじゃないか」とか、そういった事態になって、初めて不法投棄だという認定をしたということで。不法投棄の認定も時間がかかったということかなと思います。

県は何度も指導したものの、業者が2023年の措置命令にも従わなかったことから今回、行政代執行となりました。しかし、完全撤去までは相当な時間がかかるのが現状です。

さらに、3億円以上という撤去費用に税金が投入されることに対し、県民から疑問の声も上がっているといいます。

茨城県廃棄物規制課 不法投棄対策室 高島茂之室長:
今回、行政代執行に至ったわけですけれども、総額で約3億3000万円。
こちらで捨てたものについて代執行したからといって、終わりではありません。
“捨て得”は絶対に許さないという姿勢を強く持って、厳しく求償していきたいと考えております。全額を行為者に求償していく予定です。
(「めざまし8」9月25日放送より)

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