9月20日から26日は「動物愛護週間」です。仙台市では毎年100匹ほどの猫が殺処分され、これに加えて交通事故などで死んでしまう飼い主がわからない猫も1500匹近くいます。こうした不幸な命を減らそうと、模索が続いています。

先日、仙台市内でボランティア団体による猫の譲渡会が開かれました。

高橋咲良アナウンサー
「こちらに集まっているのは、ボランティア団体などが仙台市内で保護した飼い主のいない猫たちです。きょうは子猫・成猫合わせて46匹が集まりました」

譲渡会を開いたボランティア団体「しっぽゆらゆら杜猫会」は2018年から仙台市内で飼い主のいない猫を保護する活動をしていて、こうした譲渡会を毎月開いています。

譲渡会に来た人は
「困っている猫ちゃんを保護できたらいいなと思って来てみました」
「母が猫を飼いたいと前から言っていて、どうせだったら、里親を探している子がいいねとなって」

猫たちは、新しい飼い主の下で生活できるかどうかのお試し期間を経て、正式に譲渡となります。この日は、6匹の猫に新しい飼い主候補が見つかりました。

しっぽゆらゆら杜猫会 早坂直美代表
「外にいる子たちは常に命の危険にさらされているので、飼い主のいない猫たちが今以上増えないようにという思いで活動している」

ボランティア団体などに保護されて命をつなぐ猫もいれば、命を落とす猫もいます。過去7年間に仙台市の動物管理センターで保護された猫の数と処分された猫の数を示したグラフです。どちらも減少傾向ではありますが、今も毎年100匹ほどが殺処分されています。また、ここに含まれない、交通事故などで死んだ飼い主不明の猫もいて、昨年度は1460匹と、殺処分される猫の数の10倍を超えています。仙台市動物管理センターの釜谷所長は、こうした不幸な命を減らすためには飼い主のいない猫を増やさない取り組みが重要と話します。

仙台市動物管理センター 釜谷大輔所長
「飼い主の適正飼養と、飼い主のいない、すでに外にいる飼い主のいない猫に手術をしていただくことが重要と考えています。これ以上、不幸な命が生まれてこないような形で管理ができればと良いと考えている」

飼い主のいない猫を増やさない取組みとは。先週、しっぽゆらゆら杜猫会のメンバーがある活動を行いました。仙台市内にある町内会の依頼を受けて、飼い主のいない猫を捕獲し(Trap)不妊去勢手術を施して(Neuter)元の場所に戻す(Return)、「TNR活動」と呼ばれています。猫は生後半年ほどで繁殖できるようになり、1回の出産で多くて8匹の子猫を産み、年に2、3回出産をするなど、繁殖力が強くあっという間に増えてしまいます。TNR活動は不妊去勢手術をしてこれ以上増えることを防ぎつつ、一代限りの命を全うさせて、将来的に飼い主のいない猫を減らしていくというものです。仙台市はこの活動を推奨していて、猫を捕獲する道具の貸し出しや不妊去勢手術にかかる費用の一部助成などを行っています。

ボランティアメンバー
「していないんじゃないかな?こっち大丈夫。してない、こっちもしてない。OK」

しっぽゆらゆら杜猫会 早坂直美代表(Q、何を確認していた?)
「耳をカットされているか、耳カットは手術済みなので現場でリリースします」

この日は1時間ほどで5匹の猫を捕獲しました。

手術をした猫は、基本的に元いた場所へ戻されますが、病気やケガをしていて戻すことが難しい場合は、ボランティアが引き取って世話をします。その後、譲渡会などで飼い主を探しますが、過酷な環境で過ごしてきた猫たちにとっては簡単なことではありません。

しっぽゆらゆら杜猫会 橋本志緒里さん(自宅で猫を保護)
「多分3年以上になるかなと思うんですけど、なかなか性格が人と猫をすごく怖がるので、譲渡会に行っても顔を出せないような猫なので、もらい手がなかなかいない」

ボランティア団体も、際限なく保護できるわけではなく、多くの人の協力が必要と話します。

しっぽゆらゆら杜猫会 早坂直美代表
「TNR活動はそんなに難しいことでもないので、できれば皆さんも少しは関心を持っていただいて、そういう活動に携わっていければ。ボランティアだと限りがあるので、皆さんでやっていけるような社会ができるといいのかなと思います」
仙台市動物管理センター 釜谷大輔所長
「猫の好きな方の活動ではないかというふうに思われているんですけども、実際は猫が嫌いな方、そういった人にとっても周辺環境の部分で、人と猫が共生する意味ですごく重要な活動だと考えています」

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