車いすに独自の持ち手を取り付け人力車のように動かすことで知られた「JINRIKI」(長野県箕輪町)が8月末までに事業を停止し破産を申請する見込みであることが9月18日わかりました。負債は2023年7月の時点で1億9000万円にのぼると見られています。

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によりますと、同社は2012年に車いす牽引用補助装置「JINRIKI」の開発製造を目的に設立されました。

「JINRIKI」は既成の車いすに装着することで未舗装の路面や積雪時、砂浜などでも移動しやすくなり、災害時には障がい者や高齢者の避難・移動を迅速化することが出来るほか、観光用としても注目されていました。

防災安全協会など各種コンテストでも受賞歴があり全国約130社の代理店で販売し、2014年7月期には3700万円を売り上げていました。しかし、その後は伸び悩み、毎期赤字を積み上げる厳しい展開だったということです。

2022年のロシアのウクライナ侵攻後は、クラウドファンディングを募って現地に「JINRIKI」を送る活動も始めていました。

こうした中、大手百貨店と業務提携して2023年9月に新商品の開発を始め、2024年6月には製品を発表して本格的な量産・販売拡大が期待されましたが、安全基準を巡り提携先との深刻な意見の相違が生じ、製造を中止する事態となったということです。

この間、開発に尽力して既存の製品の販売を中断していたため資金繰りが困難となり、事業継続を断念しました。

8月31日までに事業を停止し今後は長野地裁伊那支部に破産申請をする方向で、負債総額は調査中ですが2023年7月末の時点で1億9000万円にのぼるということです。

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