折れて落下したイチョウの枝=東京都日野市多摩平4で2024年9月13日午後2時51分、菅健吾撮影

 東京都日野市で12日、歩行者の男性が折れたイチョウの枝の下敷きになって死亡する事故があった。13日に現場を訪れた日本樹木医会の小林明理事は毎日新聞の取材に対し、イチョウに病気をうかがわせる様子はなく、多くのギンナンによって枝が重くなった可能性などを指摘した。

 警視庁日野署によると、事故は12日午後6時半ごろに発生。日野市多摩平4の市が管理する緑地のイチョウの枝が折れ、下を歩いていた都内に住む男性(36)が下敷きになった。約1時間後に助け出されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。10メートル以上の高さから長さ数メートルの枝が折れて下の枝も巻き込み、計6本程度が折れたという。

 実際に折れたイチョウを見た小林さんは「健康な木で、腐ったり、枯れたりはしていないように見える。ただ、樹高が高すぎて、枝が長くなりすぎているように感じる」と指摘した。

 今年は2~3年に1度の「実なりの年」で、ギンナンがたくさんついていたという。ギンナンは上部の枝ほど多いといい、「ギンナンで枝が重くなり、上空に吹く風による経年劣化もあって枝が折れたのではないか」との見解を示した。

 その上で、「樹高が高すぎたり、枝が多すぎたりすると感じた時は、管理者に連絡して対応してもらった方がいい」と話した。

 日野市の大坪冬彦市長は「御本人並びに御家族様に対し、深くおわび申し上げます。ご冥福をお祈り申し上げるとともに再発防止に向けて、全力で取り組んでまいります」とのコメントを発表した。【菅健吾】

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