「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判員裁判。

13日の裁判で、元妻が「財産目当ての結婚」と説明していたことが明らかになりました。

■「私は社長を殺していません」と無罪を主張

須藤早貴被告(28)は6年前、和歌山県田辺市で“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の元夫・野崎幸助さん(当時77歳)に、何らかの方法で覚せい剤を飲ませて殺害した罪に問われています。

【須藤早貴被告(12日初公判より)】「私は社長(野崎さん)を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。私は無罪です」

初公判で、須藤被告は無罪を主張し、弁護側も「野崎さんが自分の意思で覚醒剤を飲んだことを完全に否定できない」と主張。

一方、検察は、須藤被告が致死量の3倍以上の覚醒剤を注文していた他、遺産を手に入れる動機もあったなどと指摘し、裁判では、須藤被告の「犯人性」が争われています。

2回目の裁判となった13日、午前中に行われた検察の証拠調べで、須藤被告の高校時代の友人らの供述調書などが示されました。

それによると、須藤被告が高校時代の友人らに、野崎さんと結婚した理由について「財産をくれるから」と説明。友人は、警察の調べに対し「早貴ならこのような(財産目当ての)結婚はやりかねないと思った」などと話したということです。

■異例の28人の証人尋問を予定 判決は12月

一方、直接証拠がない中、裁判では異例ともいえる28人の証人尋問が予定されていて、13日は、現場で鑑識などを行った2人の警察官が出廷。

遺体の調査を行った警察官は、野崎さんの直腸の温度が39度と高かったことなどから、薬物中毒の可能性もあるとみて、身体に注射の痕や家の中に注射器がないかなど確認したものの、見つからなかったと説明しました。

裁判は来週以降も行われ、判決は12月12日に言い渡される予定です。

■「薬物の入手が争点」 証人尋問で真実は暴かれるのか

事件から6年がたち、ようやく初公判を迎えました。

直接的な証拠が非常に乏しい中、28人の証人尋問が予定されています。

【関西テレビ 神崎 博報道デスク】「須藤被告が捜査段階ではほとんど何も供述していないので、裁判で証人を1人ずつ呼んで、そこで検察側が立証していくということになります。

今までいろんな裁判を見てきましたが、28人の証人が来るというのは聞いたことがない。本当に異例なことだと思います。

1人目は野崎さんの遺体に立ち会った警察官が証人として出てきて、2人目は鑑識活動をした捜査官が出てきたという状況で、これから11月くらいまで順番に(証人を)呼んでいきます。

注目されるのは、『薬物の入手』という点です。須藤被告に薬物を渡した、いわゆる売人といわれる人物が証人として、もし出てくるようなことがあれば、検察側としては強い証拠の1つになるかと思います」

法廷で真相は明らかになるのでしょうか。

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