福岡高裁=福岡市中央区で

 2011年に北九州市小倉北区であった建設会社会長射殺など4事件に関与したとして、殺人罪などに問われた特定危険指定暴力団「工藤会」幹部、瓜田太被告(61)の控訴審判決で、福岡高裁は12日、無期懲役とした1審・福岡地裁判決(23年5月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。市川太志裁判長は「1審判決の判断に論理則、経験則に照らして不合理な点はない」と述べた。

 判決によると、瓜田被告は、小倉北区の路上で11年11月に建設会社会長(当時72歳)を射殺した事件▽暴力団追放運動に取り組んでいた小倉南区自治総連合会長宅への銃撃事件(10年)▽小倉北区で大手ゼネコン「清水建設」社員を銃撃し負傷させた事件(11年)▽福岡市で看護師を刺し重傷を負わせた事件(13年)――の4事件に関与した。

 弁護側は控訴審でも全事件について「共謀していない」などと無罪を主張した。しかし高裁は1審判決と同様、瓜田被告が配下の組員にバイクを用意させたり、実行役を逃走させるように指示したりしていたことを追認。一部の事件では指示役として中心的な役割も果たしたと認めた上で「共謀及び故意も認められるとした1審判決は正当」と結論付けた。

 また高裁は、建設会社会長射殺事件以外の3事件に関与したとして組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われ、1審で懲役14年の実刑判決を受けた工藤会系組幹部、今田隆史被告(49)の控訴も棄却した。

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