幼い女の子が長期にわたって虐待され死亡した今回の事件。本来、娘を救うべき存在である母親、西田被告の共謀については認める判決となりました。

まっすぐと前を向いたまま判決を受け止めた西田被告。交際相手との共謀が成立するかが裁判の最大の争点となっていました。弁護側は室内に設置されたカメラで監視されるなど、交際相手に支配されていたとして共謀ではなくほう助に留まると主張していました。

それに対し、検察側は、西田被告が真愛ちゃんに言うことを聞かせるために交際相手に真愛ちゃんの言動を伝え、それに応じて交際相手が虐待していた。虐待を止めることなく黙認したとして、「共謀」が成立すると主張していました。

判決では、「交際相手に対しLINEで『報告』という文言を使うなどして真愛ちゃんの具体的な行動を伝え、それに応じて交際相手が虐待を行うことが日常になっていた」「しつけとして虐待する意思を通じ合っていた」と検察側の主張を認めました。

一方、「交際相手に支配されていた」という弁護側の主張に対しては、監視を嫌がっている様子は一切伺えないなど、信用できず、西田被告が交際相手からのDVの被害者であるとの立場からの発言に終始していて、反省が不十分として、ほぼ全面的に退ける形となりました。

判決後、会見に応じた裁判員の一人は、「映像を見ても虐待かわからない部分があり、話し合いが必要だった」などと語りました。本来、娘を救うべき存在である母親の「共謀」を認めた今回の裁判。同じような事件を繰り返さないために、家庭の外からもしっかりと救いの手が差し伸べられるよう社会の仕組みづくりを進めることが求められます。

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