福岡市などで住民が野生のサルに襲われけがをするなどの被害が相次いでいることを受け、県は9日、サルの撃退法を学ぶ市町村担当者向けの研修会を福岡市で開いた。参加者はサルを追い払うための大型花火を実際に使うなどして効果的な方法を学んだ。
福岡市や那珂川市など9市町の15人が参加し、県猟友会の北原正利副会長(84)が講師を務めた。
北原さんは、サルは記憶力が良く「家庭菜園がどこにあるか知っており、野菜の収穫期も頭の中に入っている」などと紹介。かむ力が強いことや6~7メートル飛ぶ能力があることなども説明した。
サルを寄せ付けないためには、餌になるようなものを見える場所に置かない▽戸締まりの徹底▽遭遇した場合は目を合わせず後ろに下がる――などの予防策が重要と指摘した。
効果的な撃退法としては、花火の他にゴム銃、漁網の活用――などを提示。北原さんは住宅街では地面に敷いた漁網にサルを誘って捕獲することが多いと説明し「網の色が薄いとサルの方から飛び込んでくる。安全のためにも革製の手袋を着用して作業してほしい」と呼びかけた。
屋外では講習を受けた人が使える花火の実演があり、参加者は北原さんの指導を受けながら使い方を学んだ。春日市環境課の前田湧作(ゆうさく)さん(31)は「花火は音が大きすぎるので、住宅街では漁網の方が有効と感じた。人的被害が出ないよう対処策を検討していきたい」と話していた。【城島勇人】
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