茨城・石岡市の生い茂る木々の間を抜け、県道を走ると突然、目に入ったのは不法投棄された廃棄物の山。
さらに現場に近づくと、積まれた廃棄物の異様な高さが際立ちます。
10年前に撮影された画像を見ると、ほぼ空き地の状態だったこの場所。
茨城県によると、4年前の秋ごろから複数の業者による不法投棄が始まったといいます。
地元の前区長:
(Q. あの場所は)(元々は)工場の資材置き場だったんですけど、倒産したか何かで転売したみたいで。(その後)やり放題やられちゃったので。
地元住民は「(Q. 誰があそこに捨てに来る)誰って分からないですよ。それが夜に(廃棄に)来るって言うんですよ」と話しました。
許可を得てドローンを飛ばし上空から見ると、広大な敷地を廃棄物が埋め尽くし、約250メートルにわたる“不法投棄マウンテン”がそびえ立っていました。
一体、何が捨てられているのでしょうか。
県によると、廃棄物の多くは電線の保護被覆やエアコンを砕いた廃プラスチック類。
有害物質が流出する危険はないといいますが、近隣住民は「困ることはやはり危険性。危なくて台風なんかのときに通りにくい」と話しました。
また、廃棄物に押されてか塀が斜めになり、倒れかかっているところもあり「崩れる恐れがあり危ない」などとして、撤去を求める声が上がっていました。
県は業者に対し、廃棄物を撤去するよう指導を重ねてきましたが、2024年3月までに撤去されたのは全体の2割ほど。
そこで茨城県は、9月中にも行政代執行による廃棄物の強制撤去を行う方針を固めました。
撤去する量は約1万2000立方メートルで、かかる費用は約3億円。
茨城県では過去最大規模の行政代執行となります。
地元の前区長:
もちろんうれしいですよ。関係者みんなで祝杯あげましたよ。
しかし、不法投棄の撤去に3億円もの税金を投入することに県民から「(費用が)高いと思います」「笠間市民には意味のない3億円」「税金ってみんなが払っているお金で(撤去)することになる。それはちょっとおかしいと思います」といった疑問の声も上がります。
茨城県は「産業廃棄物を一刻も早く撤去し、生活環境保全上の支障と住民の不安を解消したい」としています。
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