ハブの天敵と呼ばれたマングース。
今や害獣となった、かつての人気者が3日、奄美大島で「根絶」が宣言されました。
鹿児島・奄美大島の観光の目玉として人気を博したハブ対マングースの決闘ショー。
しかし、「動物虐待なのでは」との声が上がるなど、今では見ることができなくなってしまいました。
沖縄でも、決闘ショーに変化が。
ここでは、ハブとマングースの水泳競争に変わりました。
ハブの天敵として人気を集めたマングース。
猛毒を持つハブにかまれる人が相次いでいた奄美大島では、45年前、“ハブ退治の期待の星”としてマングース約30匹を野に放ちました。
しかし、その後の調査で、マングースがハブの天敵ではないことが分かりました。
昼間にしか行動しないマングースが、夜行性のハブを捕食することはほとんどなかったのです。
しかも、マングースは特別天然記念物のアマミノクロウサギやルリカケスといった希少動物たちを食べていることも分かりました。
更に被害は、農作物も。
2002年の映像で、農家は「さつまいもがほとんどやられた…」「思うように作物が作れない」と話していました。
マングースはピーク時、1万匹まで増え、環境省は2005年、捕獲集団「マングースバスターズ」を結成し本格的な駆除を開始しました。
人気のマングースは、一転、嫌われ者の害獣に転落してしまいました。
マングースの捕獲数はこの30年ほどで3万2000匹を超え、2018年を最後に捕獲数はゼロに。
そして3日、環境省は奄美大島のマングースについて「根絶」を宣言。
ここまでにかかった予算は、人件費やワナなどの費用で合わせて36億円にのぼりました。
環境省 自然環境局・植田明浩局長:
この世界的にも他に例がない・類がない根絶の事業が達成できた。
一方、残されたかつての天敵・ハブは、今も奄美大島では約4800匹が捕獲されており、鹿児島県は、かまれた場合、死亡するケースもあることから注意を呼びかけています。
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