大雨などの災害時に市民の避難状況を正確に把握するため、群馬県富岡市は市民がスマートフォンを使って避難方法を伝える仕組みの導入を進めている。10月には一部の住民を対象にした避難訓練で実証実験を行い、将来的には市全域での導入を目指したい考え。市の担当者は「迅速かつ正確に市民の状況を把握できるようにしたい」としている。【加藤栄】
市によると、まず市民がスマホで二次元コードを読み取り、端末に表示された専用フォームに名前の入力のほか、世帯人数や避難方法を選択してもらうことで、世帯ごとの避難状況を把握できる仕組みという。
また、自宅周辺に危険箇所がないかの確認や、安否確認のためのタオルを玄関先に掛けることも求め、地域全体での安全確保につなげる狙いがある。
富岡市では従来、災害時は組合ごとに集まって避難する取り決めになっていたが、大雨など状況によって在宅避難を選択する場合があることを考慮し、試験的にスマホの活用を始めた。避難所への避難と組み合わせることで、状況に合わせた対応がしやすくなるという。
10月6日には、同市小野地区でスマホを活用した避難訓練を予定し、住民ら約150人が参加する見込みだ。市の担当者は「避難所に行く訓練には参加しづらかった若年層にも参加してもらい、防災意識の向上につなげたい」と話している。
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