今回、記録的な大雨となっている台風10号ですが、河川の増水、避難の最新情報などを川原浩揮気象予報士とお伝えします。

まずは29日午後4時時点の最新の避難情報を見ていきます。
警戒レベルが高い「緊急安全確保」が、大分県の由布市、宇佐市、豊後高田市、国東市に出ています。
この地域というのは、すでに災害が発生している、または切迫している状況であることがいえます。

午後3時時点で緊急安全確保の対象になっている世帯が4万1082世帯、7万9062人。この数字はもっと増えていく可能性が十分考えられます。

雨の状況を見ていきます。

大分県を中心に緊急安全確保のエリアが広がっている状況ですが、風の影響よりは雨の影響が強く出ている状況です。

例えば緊急安全確保が出ている由布市は、断続的にかなり強い雨が降り続いていて、1時間雨量で75.5mm、これは観測史上1位の数字。
24時間雨量は461mmと8月として1位の雨で、事前に予測されていた何カ月分の雨が短時間で一気に降っている状況が起きています。

また、高知、愛媛、九州は南部を中心に広い範囲で避難指示が出ているということです。

──更に影響が広がる可能性は?
台風はまだ九州にいるため、流れ込んでいる湿った空気が降らしている雨が、それぞれのエリアで災害級の強さになっている現状で、線状降水帯の発生予測情報もかなり広い範囲で30日にかけて出続けている状況があるため、まだまだ影響が出る範囲が広がっていく恐れがあります。

続いて、河川の情報「キキクル」を見ていきます。

九州の東側で紫色、黒色が多く出現している状況ですが、黒いエリアは氾濫が発生していてもおかしくない、もしくは実際に発生している色で、紫は氾濫危険水位。
かなり各河川、水位が上がっています。

29日午後3時半時点の岐部川の画像をを見ると、平常時に比べ、かなり水位が上がっているのがわかります。
岐部川が流れている国東市は、24時間では275.5mmの雨が降っていて、観測史上1位の雨です。

この時間に高くなっているのは、これまで降っている雨が直接流れ込んでいる状況と、山の上の方で降っていた雨が今になって流れ込んできて増水しているのと、時間差で水位が増えてくるということがあり、「キキクル」の画面も色がどんどん変わっているため、最新の情報を常に更新して見る必要があります。

続いて、大分・中津市の山国川の映像をライブカメラで見ていきます。

山国川もかなり増水している様子が分かりますが、この辺りは29日朝に線状降水帯が発生していて、まとまった雨が一気に流れ込んでいます。
今の水位から、今後、どういうふうに増水があるか分かりません。
「洪水キキクル」は検索すると出てくるので、近くの川の水位を確認いただきたいと思います。

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