8月27日に発生した線状降水帯により記録的な雨が降った岩手県盛岡市の薮川地区では、道路の通行止めで復旧のための支援が届きづらい状況の中、地元の事業者が無償で復旧作業を進めています。

27日に発生した線状降水帯による大雨の影響で通行止めとなっている国道455号線は、盛岡市の薮川地区を通って岩泉町方面へ通り抜けることができません。(29日午後6時時点)

線状降水帯の発生から2日、通行止めが長引く理由とは?

内記和人記者
「国道455号線の崩落現場です。片側1車線が崩れ落ちてしまっていてガードレールの支柱がむき出しになっています」

盛岡市薮川では27日午後9時半までの3時間に観測史上最大となる193ミリの雨が降りました。

通行止めの場所から薮川地区方面へ約8キロ進むと、道路が15mほどに渡り崩れ落ちています。

また、道路沿いの斜面が崩れ木が電線にもたれかかるようにして倒れている場所もあり、復旧には時間を要しています。

このような場所が複数カ所確認されているため通行止めが長引いているのです。

薮川地区の国道沿いの荒木田孝雄さんの住宅では、28日、近所の人たちが復旧作業を手伝っていました。

27日の夜、道路向かいの外山川がはん濫し荒木田さんの自宅では床下まで水が流入。敷地の地面の下に流れ込んだ水によって舗装が盛り上がり、剥がれてしまいました。

自宅が被災した 荒木田孝雄さん
「あっという間に家の前が川状態になった。ここに70年住んでいるけれど、こんなことはなかった」

薮川地区では住宅の浸水被害のほか、このような舗装が剥がれる被害が相次いでいる一方、国道が通行止めとなったため復旧のための支援が届きづらい状況に陥っています。

こうした中、28日から地域の復旧作業にあたっている人たちがいます。
薮川地区のレジャー施設「まほら岩手」の社員たちです。

立花好昭さんの住宅では、舗装が剥がれる被害がありました。
まほら岩手の社員はこうした現場へ自発的に出向き、家に出入りがしやすいようにと重機で舗装を剥がして運び出し、施設から持ち込んだ砕石を入れる応急処置をしています。
こうした復旧作業は地域貢献のため無償で行われているのです。

自宅が被災した 立花好昭さん
「本当に助かります。きのうも朝早くから来て作業していただいて、泥のかき出しやら陥没したところを埋めてもらった」

地元の事業者が無償で作業をする中、被災した立花さんは薮川地区の被害の実態を知ってほしいと話します。

自宅が被災した 立花好昭さん
「(ニュースで)盛岡市内で『床下浸水8件』ときのう言っていたが、(被害は)もっとある。その辺も把握してもらわないと今後の復旧に差し支えがあるのではないか」

国道455号線の復旧作業を行う盛岡広域振興局では、可能な限り早い通行再開を目指して工事と調査を進めているということです。

国道455号線は29日午後6時時点で薮川地区で約200メートルが全面通行止めとなっています。
被害の調査の正確な把握、そして一刻も早い復旧が求められます。

※許可を得て通行し取材しています。

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