家族5人が生き埋めとなった土砂崩れの現場=愛知県蒲郡市で2024年8月28日午前7時58分、本社ヘリから

 27日午後10時10分ごろ、愛知県蒲郡市竹谷町の住宅で「土砂崩れが起きて家族5人が生き埋めになっている」と40代女性から119番があった。この家に住む30~70代の男女5人が土砂の下敷きになったとみられ、このうち通報者の女性が約2時間後に、別の40代女性が28日午前10時15分ごろにそれぞれ救助された。いずれも病院に搬送され、意識はあるという。残る3人の安否が分かっていない。

 蒲郡市消防本部などによると、土砂崩れに巻き込まれたのは農業用倉庫と2階建て住宅で、崩れた裏山の土砂に押しつぶされたとみられる。70代の夫婦と40代の娘2人、30代の息子の5人で暮らしていたとみられ、夫婦と息子計3人と連絡が取れておらず、消防や自衛隊が重機を使うなどして救助作業を進めている。

 現場周辺では今後も雨が予想されるため、同市は28日午前7時、土砂崩れがあった竹谷町大久古地区の住民14世帯37人に避難指示を出した。近くの公民館に避難所を設置し、避難を呼び掛けている。

愛知県蒲郡市の土砂崩れ現場

 近所の男性は「『がしゃん』という大きな音が聞こえ、雷かと思ったら土砂崩れだった。警察に言われて慌てて避難した」と話した。生き埋めになっているとみられる70代男性と小中学校の同級生という男性は「ニュースを見て現場に駆けつけた。心配だ。早く救出されてほしい」と不安そうに話した。

 現場はJR東海道線・三河塩津駅から北に約2キロの山あいの集落。

 気象庁によると、蒲郡市では27日午後8時25分までの1時間に46ミリの雨を観測。同日午後10時20分までの24時間降水量は136・5ミリを記録した。【塚本紘平、永海俊】

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