7月24日に降り始めた大雨から1カ月余り。秋田県内で被害を受けた地域では、住宅の片付けなどが中心だったボランティアの活動が少しずつ変化している。活動のかたちは変わっても、求められていること、私たちがいまできることはまだまだあるようだ。
ボランティアに参加しているにかほ市の男性は「友人の家が川の水で被害を受けた。何か少しでも力になれればと思い参加している。地元のまちで、これだけの水害があるのは初めての経験なので、見たことのない光景と非日常がずっと続いている人がいる」と話す。
秋田県内を襲った記録的な大雨から1カ月。由利本荘市やにかほ市では、いまもボランティアの力を必要としている人がいる。
住宅の床下の泥かきや水に漬かった家具などの運び出しから始まったボランティアの活動。「片付け作業」は完了した住宅が多いものの、必要とされることはそれだけではない。この時期に次々と発生する台風などへの対応も、いま必要とされることの一つだ。
にかほ市を中心に支援活動にあたる日本赤十字秋田短期大学の及川真一さんは「台風が接近する恐れがあったとき、『雨が怖い』と心配している家があった。土のうを積み上げることによって『安心して寝られた』という声が聞かれた。一度自宅が水害に遭うと不安が募る。不安を取り除くことを今後継続してやっていかなければいけない」と話す。
この日集まったボランティアは、台風による被害を防ぐために設置した土のうの撤去にあたっていた。
その中には日本赤十字秋田看護大学の学生の姿があった。将来は「地域に寄り添う保健師になりたい」という学生は「思っていたよりも被害が大きくて、一人一人に寄り添っていくことが大切になると感じた」と話した。
ボランティアの後押しを受け、地域の復旧は少しずつ進んでいる。
及川さんは「いまニーズがあがっているところを完了させること。ただし、ニーズがないから終わりということではなく、きめ細やかな対応をしていくといろいろなことが出てくるので、それに対応していく。備えに関しては、まち全体の防災力を上げることがこれから求められてくる」と活動の継続を重要視する。
地域が「日常生活」と「これまでの姿」を少しでも早く取り戻すため、私たちにできることはあるのだろうか。
及川さんは「災害ボランティアをまだ難しく考えている人が多いが、初めての人でもやれることはたくさんある。難しく考えずに参加してみてほしい」と呼びかける。
そして「まちに来てもらうことがこのまちを良くする。ぜひにかほ市に足を運んで自然豊かな場所で過ごすことが、災害ボランティアだけではない、まちの復旧のボランティアになる」と語った。
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