静岡県に接近している強い台風10号は接近前から大雨となるおそれもあり注意や警戒が必要です。台風の最新の進路や注意点について、小塚恵理子 気象予報士と天達武史 気象予報士が解説します。

台風が西寄りになった原因は?

天達武史 気象予報士:
まず最新の進路を見ていきます。より西回りで、静岡への接近がかなり遅くなっています。

西に寄っている原因は2つあります。1つは東側の大きな高気圧が台風を押してしまっている。

もう1つは「寒冷渦」という上空に寒気を伴った渦が元々先週くらいから台風の西側にあったが、これが反時計回りにぐるぐる回転して、台風が近づいてくると「寒冷渦」に引っ張られるような形で西寄りに進んでしまっていることです

静岡にとって一番危ないパターンは?

天達武史 気象予報士:
この進路予想も動きがだいぶ遅くなっていて、8月29日(木)午後3時頃に九州に上陸する可能性がでてきました。そして、最新情報ではさらに西寄りに進んでいる状況です。

そのためもっと遅れる可能性があり、九州には29日に接近、30日に四国や中国地方、そして31日に北陸地方、ここが最も静岡に接近するタイミングになりそうです。

ポイントは予報円がとても大きい点です。

もしかすると31日は北海道に台風があるかもしれないし、遅ければ紀伊半島にあるかもしれません。これは何の違いかというと、台風が上陸した後にうまく風に乗ればスピードアップして北海道までいきます。

ただ、上陸したあとうまく風に乗れないとすぐ東へ転向するような形になり、その場合は静岡が一番危ないパターンです。

ゆっくり動いて31日にまだ静岡に接近していないという可能性も出てきていますので、そうなった場合には大雨が長く続く可能性があります。

まだこの後も台風の進路予想図に注目してください

小塚恵理子 気象予報士:
予想図に幅があるため台風の向きが変わったあとも注意が必要ということですね。

先週は「今週前半に影響が出るかもしれない」ということでしたが、その影響が長引くおそれもあるため、今週いいっぱいは注意が必要となりそうです

雨の降る時間が長くなるおそれ

小塚恵理子 気象予報士:
予想図では8月26日現在は台風がまだ静岡から離れて見えますが、26日夜から影響が出てきそうです。

雨・風の予想を見ていきます。

台風の中心は離れていますが、26日午後9時の予想では湿った空気が入って、ところどころ雨が激しく降る場所、雷を伴うところも出てきそうです。

27日午前9時は南からの湿った空気が三重県から静岡県に集中して流れ込む予想となっており、特に静岡県の西部と中部で雨の降る時間が長くなるおそれがあります。

天達武史 気象予報士:
平野部でも雨量が多くなりそうですね

小塚恵理子 気象予報士:
そうですね。この3日間にかけても平野部では雨が降っていたのですが、そういった雨のイメージ。平野部でも大雨のおそれがあります

小塚恵理子 気象予報士:
28日の水曜日、まだ台風の中心は離れていますが静岡県には雨が降ります。さらに29日木曜日、台風の動きは遅いのですが太平洋側の地域は雨が続いて、静岡県内も雨が降り続き雨量が多くなるおそれがあります

天達武史 気象予報士:
この状態で地盤がかなり緩んだり、大きい河川が増水するなどの可能性がありますよね

小塚恵理子 気象予報士:
はい。雨は長期戦になりそうです

静岡最接近は30~31日か

小塚恵理子 気象予報士:
台風の接近が30日から31日にかけて予想されますが、雨には26日夜から警戒が必要です。28日から30日にかけて警報が発表される可能性が高くなっています。

風・波に関しては台風の接近に伴って影響が大きくなってくる予想です。

天達武史 気象予報士:
27日から交通機関が乱れる可能性はあるのでしょうか?

小塚恵理子 気象予報士:
風はそれほど強くありませんが、場合によっては雨がかなり強くなる場所が出てくる可能性があるため、交通機関への影響も考えておいた方が良いかもしれません

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