福島第一原子力発電所2号機で2025年2月以降の着手を計画している「圧力容器」の内部調査について、東京電力は8月23日付で原子力規制委員会に調査の実施についての申請を行った。
第一原発では2011年の事故のあと、格納容器にロボットを入れて内部調査が行われてきたが、さらに内部にある「圧力容器」については、内部が把握できていない状況にある。
「圧力容器」は核燃料を格納している原子炉の”本体”であり、事故のあと、溶け落ちた核燃料はこの圧力容器の底部を通過して金属などの構造物を巻き込み、冷え固まって「燃料デブリ」になっているとみられている。
東京電力は、圧力容器につながる既存の配管にファイバースコープを通して内部の撮影などの調査を行う方針で、既に試作機は完成しているという。
今後は、現場を模擬した場所での試験を重ね、規制委員会の認可が下りたあとに、実際の2号機での調査作業に移る考え。
この調査は、作業員が圧力容器外側の「格納容器」のそばまで近づいてスコープを入れていくことになるため、現場の放射線量を下げようと、配管の洗浄作業などが行われてきた。
第一原発での圧力容器の内部調査はこれが初めてとなる。
一方、その外側の格納容器での燃料デブリの試験的取り出し作業については、現場の設備のミスによる中断から再開のめどが立っておらず、東京電力は「作業員に聞き取りを行い、原因の調査を続けている」としている。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。