石川県輪島市の夏を飾る「輪島大祭」の23日夜、巨大な灯籠(とうろう)・キリコ9基が市街地を練り歩き、復興への雄たけびを上げた。クライマックスでは、地元高校生が企画して全国に協力を呼びかけた花火大会があった。
同市内では、能登半島地震の影響で夏祭りは神事のみとする神社が目立ったが、同市河井町の重蔵(じゅうぞう)神社は、可能な範囲でキリコ祭りの実施を目指してきた。
力になったのが、県立輪島高の「輪島復興花火プロジェクト」メンバー2年生9人だ。自分たちに何ができるかを話し合う中、実行委員長の川端勇胤(ゆういん)さん(17)によると、「花火がいい」と一気にまとまったという。
インターネットを通じて募金や支援メッセージを集め、重蔵神社で炊き出しボランティアをしていた花火師らの協力も得た。
この日は日中から、プロジェクトメンバーが集合。メンバーの一人で、仮設住宅で暮らす平上大翔(だいと)さん(17)は「街が元気になってほしい」と語り、寄せられたメッセージを花火玉に貼っていった。
同日夕、神輿(みこし)とキリコが同社を出発。倒壊家屋や道路の亀裂などを避けつつ、例年より短縮されたルートで威勢良く巡行した。最後の花火には大歓声が沸いた。
帰省してキリコの担ぎ手となった水上昭次さん(48)は「やっぱり祭りは最高」と笑顔を見せ、仮設住宅で暮らす大向宏さん(63)も「今年はお祭りをやれると思っていなかった。地震前に戻ったようで励まされた」と話した。【国本ようこ、竹中拓実】
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