沖縄県の本部半島を中心にウミガメの産卵調査をしている高橋直緒次郎さん=名護市=が21日、名護市屋我地の海岸に産卵されたアカウミガメの幼体115匹を放流した。

 6月末から7月初旬にかけて、同海岸の3カ所で産卵が確認されていた。高橋さんによると、同海岸で産卵が確認されたのは10年ぶり。

 生態系に影響を与えないよう、ふ化まで見守る予定だったが、3カ所のうち1カ所でふ化直前の個体が盗掘されたため、県水産動物特別採捕のライセンスを持つ高橋さんがふ化させて放流することを決めた。

 ここ数年、本部半島では、卵やふ化した幼体の盗掘が増えており、ことしも今帰仁村崎山や古宇利で盗掘が確認されたという。

 屋我地の海岸での子ウミガメの放流は、捕食する大きな魚に気づかれにくい夕暮れに行われた。砂浜に放つと手足を動かし、波のない穏やかな海を沖に向かって泳いでいった。

 高橋さんは20~30年かけて、生まれた浜に産卵しに帰ってくるウミガメの習性に触れ「将来も産卵できるような自然海岸を残していきたい」と話した。

(北部報道部・松田駿太)

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