写真はイメージ=ゲッティ

 ナース服など制服への着替えは労働時間にあたるなどとして、札幌市清田区の「美しが丘病院」に勤務する看護師ら男女16人が15日、病院を経営する医療法人に未払い賃金計約4600万円を求める訴えを札幌地裁に起こした。

 訴状によると、職員は始業前と終業後に着替えが義務付けられているが、賃金が支払われていない。2000年の最高裁判例は「業務に必要な行為として作業着の着脱は労働者に義務付けられていたもので、労働時間に当たる」と判断しており、美しが丘病院でも1回5分、1日計10分間分の賃金を支払うべきだと訴えている。

 このほか、薬の準備や患者の採血など始業前に行っている業務への賃金や夜間の深夜割増賃金なども支払われていないとして、未払い分を求めている。

 提訴後に札幌市内で記者会見した原告の佐々木晴見さんは「職場環境をよくするため、労使交渉を申し入れてきたが、話し合いにすら応じてもらえず、やむなく提訴に至った」と語った。被告の医療法人「北武会」は「コメントできない」としている。【伊藤遥】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。