8月12日に東北を横断した台風5号は、13日未明には熱帯低気圧に変わりましたが、岩手県内では記録的な大雨により断水や孤立する世帯も出るなど大きな影響が続いています。
12日午前、大船渡市に上陸し東北を横断した台風5号。
久慈市下戸鎖では48時間に降った雨の量が481.5ミリと、観測史上最大を記録。(12日午後4時50分まで)
久慈市内を流れる長内川は避難判断水位を超えるほど増水していました。
同じ場所を撮影した13日の映像と12日の映像とを比べると、かなり川の水位が下がったことがわかります。
井上智晶アナウンサー
「久慈市の孤立世帯がある地域です。道路がえぐれて通れなくなっています。この先に人が住んでいるということです」
今回の記録的な大雨を受けて久慈市山根町深田地区では道路が崩壊、このため午後2時時点で2世帯3人が孤立状態となっています。
13日は昼前から重機を使った復旧作業が行われました。
市によると、道路の復旧にはしばらくかかる見込みだということです。
久慈市山根町深田地区 馬渡幸子地区長
「食べ物はあるということで具合も悪くないので『ただ早く通してほしい』という話です」
また、岩泉町でも橋が流された影響で安家地区の3世帯9人が孤立状態となっています。
そして岩泉町では川から水をくみ取る装置に土砂が詰まった影響で袰綿地区を中心に291戸で断水しています。
住民たちは13日、町が出した給水車から水を受け取っていました。
給水を受けた人
「今一番シャワーが困っている。飲んだり食べたりはできるけれども。風呂はもう仕方ないから沢の水を使って沸かしている」
「断水は朝から。また(台風が)来ると大変。今度は土砂災害だね」
建物の被害も相次いでいます。
釜石市甲子町では12日、土砂崩れが発生し工務店の作業小屋1棟が倒壊しました。
13日に現場を確認した工務店の社長は、「多分もうここには建てられないだろうから、こうなってしまうと行政に期待している」と話していました。
一方、住宅の浸水被害が床下、床上あわせて3棟確認されていた宮古市の田鎖地区では、ポンプでの排水などにより13日朝は水が引いた状態となっていました。
県によりますと、浸水被害は13日午後3時時点で3つの市と町の合わせて14棟の住宅で確認されています。
交通機関では三陸鉄道が線路の盛り土が一部流された影響で、宮古~田老間で運転を見合わせていて、当面、バスによる代行輸送を行うとしています。
JRの在来線は13日も八戸線の全線で午前中の運転を見合わせたほか、山田線と釜石線の一部区間が運休しました。
14日は始発から全ての路線で平常運転となる見通しです。
また県は13日、台風との関連は明らかではないものの、宮古市の89歳の男性が12日から安否不明になっていると発表しました。
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