陸上自衛隊目達原駐屯地で一般公開された陸自オスプレイ。米軍オスプレイの墜落事故後、暫定配備先の木更津駐屯地に戻れず、駐機したままだった=佐賀県吉野ケ里町で2023年12月3日午後0時1分、五十嵐隆浩撮影

 2023年11月の米空軍輸送機CV22オスプレイの墜落事故後、佐賀県吉野ケ里町の陸上自衛隊目達原(めたばる)駐屯地に駐機したままの陸自V22オスプレイ1機について、防衛省九州防衛局は12日、飛行を19日にも再開する方針を佐賀県に説明した。熊本県の陸自高遊原(たかゆうばる)分屯地を経由し、暫定配備されている千葉県の陸自木更津駐屯地へ戻る。防衛省は今後、陸自オスプレイを佐賀県に配備する計画で、1機が展示飛行などのために目達原駐屯地に飛来したが、事故が発生し、駐機したままになっていた。

 墜落事故を受け、米軍と陸自は全オスプレイの運用を一時停止。米軍は24年3月14日から日本国内での飛行を再開し、陸自も同月21日に木更津駐屯地での飛行を再開した。

 この日は、九州防衛局の遠藤敦志企画部長と、木更津駐屯地でオスプレイを運用する陸自第108飛行隊長の浦郷昌生2等陸佐が佐賀県庁を訪れ、県の平尾健政策部長らと面談。九州防衛局の遠藤部長は「練度の回復に一定のめどがついた」とし、目達原駐屯地に駐機中の1機についても天候状況を見て19日以降に飛行を再開する方針を説明した。19日に目達原駐屯地の周辺空域を飛行後、20日以降に高遊原分屯地に移動し、4月末までに木更津駐屯地に戻る予定。

目達原駐屯地に駐機中のオスプレイの飛行再開について佐賀県に説明する九州防衛局の遠藤敦志企画部長(中央)ら=佐賀県庁で2024年4月12日午前9時29分、五十嵐隆浩撮影

 県の平尾部長は「飛行の安全には何よりも配慮してもらいたい」と要請。事故原因についても引き続き情報提供を求めた。

 国は25年に佐賀県にオスプレイを配備する方針で、佐賀空港(佐賀市)の隣接地で駐屯地の建設工事を進めている。【五十嵐隆浩】

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