初めて出された南海トラフ地震臨時情報が注目されているが、福島県内を含めた東北地方などにとっては、もう1つ大切な地震に関する情報がある。それが「北海道・三陸沖後発地震注意情報」だ。
<北海道・三陸沖後発地震注意情報とは>
千島海溝・日本海溝沿いで想定されているマグニチュード9クラスの巨大地震に備えるためのものだ。
県内の最大震度は5弱だが、南相馬市で19メートルなどの巨大な津波を観測。沿岸部に観光客などが集まる夏場に発生した場合、犠牲者は1200人に上ると試算されている。その被害をゼロに抑えるため、想定された震源域でマグニチュード7以上の地震が発生した時に、政府が発表するのが「後発地震注意情報」で、巨大地震への注意を呼びかける。
一方、このケース以外にも地震や津波が発生する可能性がある。震災の教訓を踏まえ福島県内の沿岸部では普段からの備えが浸透しつつある。
<大震災で津波被害の教訓>
津波で約150人が命を落とした福島県いわき市の豊間・薄磯地区。
東日本大震災の6年後に再開を果たした薄磯海水浴場では、いま震災の教訓が海水浴客の命を守っている。薄磯海水浴場安全対策実行委員会の鈴木幸長さんは「誰にでもわかりやすく、下に表示してありますから、避難っていうことでね。それを目印にしていくと中学校の一番高いところに行けます」と話す。
<海水浴場に50mごとに避難口>
さらに…どこを泳いでいても高台に上がれるよう、50メートルごとに上り口をつくるなど、安全に避難できる“動線”を確保した。
薄磯海水浴場安全対策実行委員会の鈴木さんは「警報が鳴った場合、われ先に上がってくるじゃないですか、これくらいの広さじゃなくちゃ避難できないってことですよね」と話す。
震災を経験した鈴木さんは、事前の備えと防災意識の大切さを強調する。「津波は来ない方が一番いいんですけども、来ないなんてことはないので。災害が起きた場合に、海水浴客たちが無事避難できるかっていうことを色々考えて」と話した。
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