盗撮行為で逮捕された郵便局員だった男性が、被害者と示談が成立したのに懲戒解雇されたのは不当などとして日本郵便に対し、地位確認などを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(山田亜湖裁判官)は8日、「相当性を欠き、懲戒権を乱用した」として解雇を無効とし、未払い賃金の支払いを命じた。
判決によると、男性は昨年7月、通勤途中に電車内で女性のスカート内を撮影しようとして愛知県迷惑防止条例違反で逮捕され、翌日釈放された。その後、女性と示談が成立。日本郵便は同9月、男性を懲戒解雇した。男性は同11月に不起訴処分となった。
判決は、男性が22年夏ごろから盗撮をしていたと供述していることなどから「極めて卑劣で社会的に厳しい非難を免れない」と指摘しつつも、「有罪判決を受けた場合と比べて会社の業務に与える影響や(日本郵便の)社会的評価に及ぼす影響は低い」などとし、懲戒解雇は無効とした。
日本郵便は「当社の主張が認められなかったことは誠に遺憾。控訴も視野に検討する」とコメントを出した。【道下寛子】
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