鮭川村の庭月観音は7月の大雨で2メートル近く浸水した。毎年、夏に行われている寺の伝統行事は規模を小さくして実施することになった。
鮭川村庭月にある「庭月観音」は最上三十三観音の一つで、開かれてから600年以上の歴史を誇る寺。
7月の大雨で寺の横にある小川がはん濫し、寺一帯が2メートル近く浸水。裏山では土砂崩れが発生した。
(庭月観音・庭崎賢恵住職)
「私の胸くらいまで水が来て、一生懸命残されたものを2階に運んでいたがこれは逃げるしかないと、消防隊のゴムボートで逃げた」
寺はここ6年で3回、大雨による床上浸水の被害があった。
今回の大雨で、400年以上前から寺の宝として大切にされてきたお経・絵馬などが泥をかぶった。
きのう(6日)までにのべ約30人のボランティアによって片付けられ、泥まみれだった本堂の床はほぼきれいになった。
そして今回の大雨で奇跡的に浸水の被害を免れたのが「灯ろう」。寺は毎年8月18日に送り盆の行事として鮭川で灯ろう流しを行っている。
ことし使う予定で、地元の子どもたちなどが願いを書いて奉納した灯ろうを畳の上に置いていたが、浸水した時に畳が浮かび上がったことで灯ろうはほぼ無事だった。
(庭月観音・庭崎賢恵住職)
「予定通り行いたかったが現在の河川の状況ではできない。境内に灯ろうを並べる形の万灯供養に切り替えてささやかながらも実施していきたい。準備を進めている」
祭りを開催できる喜びはある一方、住職は今後も大雨で浸水するのではないかという不安が消えないという。今後、国に支援を求めたいとしている。
(庭月観音・庭崎賢恵住職)
「今回の浸水は本川(鮭川)の管理に関わること、高台に移転や保証などに応じてほしいというのが私・ご信徒さん、みんなの願い」
寺は18日の灯ろう流しにあわせて参拝者の受け入れを再開したいと復旧を進めている。
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