新潟県北部を襲った豪雨災害から8月3日で2年です。土石流が発生した村上市では現在も砂防ダムの工事が続くなどし、被災者は不安の拭いきれない日々を過ごしています。

【記者リポート】
「村上市の小岩内地区です。約2年前に土石流が襲ったこのあたり、家屋の壊れたところは今も更地となっています。一方、集落の奥では砂防ダムの工事が続いていて、復興は道半ばのように見受けられます」

更地が広がり、2日も工事が行われていたのは村上市の小岩内地区です。

【高野アキさん】
「(2年は)早い。夜や朝方、割とひどい雨が降ったりするとやっぱり怖い。大きな雨が降ってくると『また…』という感じ」

雨への恐怖を口にするのは、この地区に住む、高野アキさんです。

おととし8月、村上市など県北部を襲った豪雨。県内では約2400棟の住宅で浸水被害などが出ました。

こうした中、小岩内地区を襲ったのが大規模な土石流です。

二次災害の恐れから地区全体・36世帯全てに避難指示が出され、多くの住民は仮設住宅への入居を余儀なくされました。

自宅に土砂が流れ込んだ高野さんも仮設住宅での生活を始めました。一人暮らしの高野さん。

【高野アキさん】
「泥がまっすぐに入って来て、ここを流れて壁にぶつかった。逆流して座敷にも入ったみたい」

離れて暮らす家族の助けも借りながら、少しずつ家を修復していきました。そして…

【村上市 高橋邦芳 市長】
「避難指示の解除を行いたい」

去年10月、避難指示が解除されると1年以上の時を経て、元の自宅へ戻ることができました。あれから、約10カ月…

【高野アキさん】
「こんな大きな杉の木が出てきたり、ここへ落ちてきてすごかった。あと、そこの水路、みんな家の前に流れてきて」

土砂の流れてきた自宅裏の斜面。去年、家に戻ったころは、まだ土のうが山積みのままとなっていましたが、今年6月、ようやく改修が完了しました。

【高野アキさん】
「(床は)みんな取り替えてもらって。冷蔵庫は仮設で使っていたもの」

戻ってきた日常。一方、災害への不安や経済的な理由により集落から離れた被災者もいます。

また、県によりますと、砂防ダムの工事は当初の予定より遅れ、来年3月までかかる見込みで今後も不安は残ります。

【高野アキさん】
「やっぱ(人が)少なくなると寂しい。怖い雨がなければいい。今、どこでもすごいから」

どう地域の安全を確保し、活力を維持するのか…被災地の復興はまだ道半ばです。

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