静岡市で消火活動中の消防隊員が死亡したビル火災をめぐり、警察は8月2日、当時現場で指揮していた小隊長と火元となった飲食店の当時の店長を書類送検しました。

業務上過失致死容疑で書類送検されたのは、ビル火災があった2022年8月当時の静岡市消防局 駿河消防署 駿河特別高度救助隊・小隊長(40)で、消火活動の現場責任者として安全管理をすべき業務上の注意義務があったにも関わらず怠った疑いです。

警察によると、元小隊長は火元を確認するため隊員3人に対して室内に進入するよう指示を出していて、その後、火元が見つかったことからその場を離れるよう伝えましたが、3人のうち1人が死亡しました。

ただ、静岡市消防局では隊員同士を命綱でつながずに進入させたことが事故につながったとする検証結果を発表していますが、警察は具体的にどういった点が小隊長の過失に当たるのかについては明らかにしていません。

一方、火事はたばこの火の不始末が原因と見られていて、警察は、安全管理が不十分だったとして当時の店長を業務上失火の疑いで書類送検しています。

警察は2人の認否について捜査上の支障があるとして明らかにしていません。

静岡市消防局は「引き続きこのような消防活動中の事故を再び発生させることがないよう職員1人1人に対して安全最優先の意識を浸透させ、組織をあげて安全文化醸成の一層の強化に努める。また、市民からの信頼が回復できるよう全力で取り組むとともに、ご遺族に対しましては組織として誠意を持って対応していく」とコメントしています。

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