秋田県内を襲った記録的大雨の降り始めから1週間がたち、被害が少しずつ明らかになってきている。由利本荘市では「秋の稲刈りは無理かもしれない」と農家が肩を落としている。

 菅原咲子アナウンサー:
「由利本荘市矢島町川辺地区。ガードレールの向こうにある子吉川が今回の大雨で増水し、支流の小杉沢川の水が流れ込むことができずにあふれた。あふれた水は田んぼに流れ込んだ。稲は一見、普通に立っているように見えるが、根元には大量の泥がたまっている」

7月25日には川と道路が一体となり、奥にある田んぼが完全に水に漬かった。

この地区であきたこまちやひとめぼれを生産する佐々木健至さんは、所有する9ヘクタールの田んぼのうち2ヘクタールが水没した。

佐々木さんは「25日の昼過ぎに水が入り、夕方には完全に水没して、本当に一瞬という感じ。どうしよう…という感じになった」と振り返る。

佐々木さんは、雨足が落ち着いたのを見計らい、急いで排水作業に取りかかった。排水路が埋まっていたので通し、流れ込んだ土砂をスコップなどで上げて、水路になるようにしたという。

水は引いたものの、稲の間には泥やごみが流れ込んでいて農機具を入れることができず、稲刈りができない可能性がある。

2023年は猛暑で納得のいく品質のコメが作れず、「ことしこそは」という思いがあっただけに、佐々木さんは肩を落とす。

 佐々木健至さん:
「このほ場に関しては、おそらく稲刈りは無理。大きなことがあるたびに農家が減っていて、この先不安」

31日午前8時半時点で、県全体の農林水産関係の被害額は30億340万円余りに上り、今後さらに膨らむ見通しだ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。