福岡県苅田町の職員ら3人がイノシシの死骸を町内の県道沿いの草むらに投棄していたことが31日、関係者への取材で判明した。
関係者によると、29日午前9時ごろ、同町南原の県道で軽ワゴン車と軽トラックが停車し、男性3人がトラックの荷台から成獣のイノシシの死骸を降ろし、遺棄したという。軽ワゴン車は苅田町と書かれた公用車だった。
町は取材に対し、農政課の20代の男性職員2人が、猟友会に所属する男性猟師と共に遺棄したことを認めた。猟師が、ワナにかかって死んでいるイノシシを発見したが、重さ80キロの大きなイノシシだったため埋める場所に困り、職員を別の場所に運ぶために呼び出した。その後、男性の指示で投棄したという。職員は遺棄した理由について「駆除員さんが言う通りに手伝ってしまった」と話しているという。
苅田町では猟師には国の鳥獣被害防止総合対策交付金としてイノシシ1頭あたり7000円の報酬が支払われている。死骸には白いスプレーで文字や報酬を支払うための年月日が記されていた。報酬にはイノシシの死骸を焼却処理や埋却処分する費用も含まれており、町では過去にも不法投棄がなかったかどうかについて今後、調べるとしている。
また、町は処分を猟師に委ねていたため、町が一般廃棄物として焼却処理をする方法を整備するとしている。
イノシシの死骸を巡っては、2022年11月に香川県さぬき市で男性2人が山中に遺棄したとして廃棄物処理法違反と鳥獣保護法違反で書類送検されたケースなどがある。【井土映美】
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