大阪府泉南市の添田詩織市議から、差別的言動やヘイトスピーチを受けて名誉を毀損(きそん)されたとして、大阪市中央区のイベント会社「TryHard Japan」が、市議と市に各1100万円の損害賠償と投稿削除を求めた訴訟の第1回口頭弁論が19日、大阪地裁(達野ゆき裁判長)であった。
原告側は「政治家の票集めという私利私欲のためのヘイトスピーチだ」と主張し、市議と市はそれぞれ、請求棄却を求めた。
訴状によると、添田市議は週刊誌の取材に対し、同社を「中国系企業だ」として「(イベント開催に絡み)多額の公金がだだ漏れしている」「公共事業に中国系企業をかかわらせるのは経済安保上、危険な行為に他ならない」などと主張。動画サイトなどでも同様の言動を繰り返し、同社の名誉権を侵害したほか、ヘイトスピーチ解消法で規定する「不当な差別的言動」に当たるとしている。
意見陳述に立った同社の大付楽洋代表取締役は「日本が好きで留学のために来日し、2008年に日本国籍を取得した。日本の方々に助けられ、多国籍のスタッフと働いてきた」と紹介。その一方で、「事実無根の誹謗(ひぼう)中傷であっても、政治家が言うことを一般の方は信じる。私たちは簡単に社会的な信用を失ってしまう」などと被害の深刻さを訴えた。
添田市議は「『公金がだだ漏れ』などの表現は、週刊誌記者が書いたもので、私の発言内容とは違う。全面的に争いたい」としている。【鵜塚健】
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