東京で11週感染拡大している「新型コロナウイルス」。
世界全体では、WHOによると 7月7日現在、感染者は7億7567万人にのぼる。

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ゲノム解析の結果、東京で流行している変異株は、KP.3およびKP.2が約9割を占める。この変異株の特徴は、免疫逃避性や伝播性が高いため、感染が拡大傾向にあるとみられている。中国でも新型コロナの陽性率は上昇傾向にあるが中国でみられる変異株の約7割はJN.1系統で、東京とは違うものとなっている。

新型コロナの5つの問題点

賀来所長は、2020年1月の日本での初の感染確認から現在までの新型コロナの問題点を5つあげる。

東京iCDC(=東京感染症対策センター) 賀来満夫所長

・無症状の人からも感染 (対応の難しさ)
・会話などからも感染する(エアロゾル感染)
・免疫が長続きしない(相次ぐ変異株の出現)
・重症化する人がいる(高齢者・基礎疾患のある患者)
・後遺症などが出ることがある。

日本人の約3分の1はコロナ未感染

国が日本赤十字社の協力のもと、2024年3月に実施した新型コロナウイルスの抗体保有割合実態調査の結果、国民の64.5パーセントが抗体を保有していることがわかっている。つまり35.5パーセントの国民は、新型コロナウイルスに感染した経験がまだないことになる。

コロナは、インフルエンザのように毎年流行すると予想されており、未感染者への感染が懸念されている。

賀来所長が考える新型コロナの今後の推移として、以下が挙げられる。

・新型コロナが今後も無くなることはない。
=インフルエンザのように、毎年流行する可能性がある。

・流行はあるものの、ピークは次第に小さくなる可能性。
=感染が拡がり、抗体保有率はさらに増加するため、伝播性の高い変異株の出現がなければ、減衰振動していく。

・後遺症・重症化なども含め、今後とも留意が必要。

感染予防の基本原則は「換気・手洗い・マスク」

賀来所長によると 新型コロナウイルスの感染は、室内にこもりがちな夏と冬に流行拡大する傾向があるという。

現在、東京では11週連続コロナ感染者数が増加しているが、今のペースが続けば8月、9月とさらに増え続けると予測されている。

東京iCDC(=東京感染症対策センター) 賀来満夫所長

東京iCDC(=東京感染症対策センター) 賀来満夫所長:
これから夏休みに向けて感染がさらに広がることがあるので、感染に注意していく必要があります。 体調が悪い時にはできるだけ外に出ない、あるいは色々な方と会うのを少し控えることが大切です。外が暑いと室内にいる時間が長くなりますので、換気がとても大切です。
そして手洗いですね。 あとはやはりマスクをつけた方が良い場面もあると思います。 ですから、換気をしっかり行うこと。 手洗いなどをしっかり行うこと。 場面によっては、マスクをしっかりつけて、ご自分の体調管理をしっかりと行っていただければと思います。

熱中症とコロナ感染の区別がつかないケースも

熱中症が起きた場合と新型コロナに感染した場合との区別がつきにくいという話を、よくききます。

賀来所長は、熱中症だと判断した時でも、新型コロナに感染した可能性も併せて、考えてほしいと語ります。

東京iCDC(=東京感染症対策センター) 賀来満夫所長

東京iCDC(=東京感染症対策センター) 賀来満夫所長:
熱中症が起こる場合は、立ちくらみやめまい、あるいは全身の倦怠感や筋肉の痛みといった症状がまず出てきます。 一方、新型コロナウイルスの感染は喉の痛みや鼻水、咳など呼吸器の症状が出てきます。ともに発熱することもありますが、ぜひそのような違いをしっかりと認識していただきたいと思います。

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