東京ドームで公演したテイラー・スウィフト=東京都文京区(提供/TAS Rights Management)

【ロンドン=黒瀬悦成】米人気歌手のテイラー・スウィフトさんが6月から英国で予定している公演に絡んだチケット詐欺が横行し、英ロイズ銀行の推計では被害額が計100万ポンド(約1億9000万円)に上っていることが分かった。

今年3月に世界ツアーを始めたスウィフトさんの英国公演の正規チケットは全て売り切れているにもかかわらず、オークションサイトやソーシャルメディアで転売チケットなどを探し求める熱心なファンが後を絶たない。今後も被害が拡大する恐れが強まっている。

ロイズ銀行によると、同行の顧客約600人が被害を届け出たが、他行でも同様の被害が出ていると推定され、被害者は少なくとも3000人に上るとみられているという。

詐欺の手口の約9割は、フェイスブック上で「チケット売ります」の偽広告を打ち、それにつられたファンに電子決済で代金を前払いさせてだまし取るというもの。指定通りに代金を振り込んでもチケットが送られてくることはなく、「業者」を装った詐欺師とも連絡が取れなくなる。

ロイズ銀行によると、英国で昨夏以降に発生したチケット詐欺は前年比で158%も増加した。

米歌手ビヨンセさんや英バンドのコールドプレイ、英歌手ハリー・スタイルズさんなどの公演も詐欺に使われており、被害者は1人あたり平均133ポンド(約2万5000円)をだまし取られたという。

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